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7割は課長にさえなれません、終身雇用をディスるのかと思いきやサラリーマン川柳がいっぱいの戯曲っぽい話でした

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「若者を殺すのは誰か」に続いて、「7割は課長にさえなれません」を読みました。

若者を殺すのは誰か、相変わらず世代間格差をガンガン煽ってきます - PHMPK.LOG

2010年の著作ですが、それほど時事問題を扱うわけではないので、面白かったです。というよりも、思ってたのと中身が違いました。大日本商事なる架空の商社を舞台に、派遣で働く山田一郎、窓際部長の山田良夫、2人目を産むことを悩む鈴木花子などが、各々の置かれた環境の不遇さを嘆きます。行き場のないポスドク中村博なんてのも出てきます。

7割は課長にさえなれません (PHP新書)

7割は課長にさえなれません (PHP新書)

Kindle版はこちら→7割は課長にさえなれません 終身雇用の幻想 (PHP新書)

最後は、終身雇用制度がなくなり労働市場が流動化されたらの if、もしもの話です。ちょっと夢物語入りすぎでしたね。私が面白いと感じたのは、彼らの嘆きを端的に表す詩や川柳ですね。

「売り手市場 売れていくのは 新卒だけ」ー 山本一郎(30歳、派遣社員)

「朝起きて 会社に来ると 胃が痛い」ー 山田良夫(54歳、部長)

まあ、それ以外はやっぱり筆者の主張には、それほど目新しいことはないんですよね。もちろん、いろんな立場の人にフォーカスして、それぞれの置かれた立場での嘆きは、読ませるなあって思わせる素晴らしい出来ですが。要点は1冊読めば十分ですし、ブログやコラムで述べられていることと基本的に同じです。書籍化されて、体系的に問題点を扱うことで、個々の問題のつながりや利害関係が理解できる点は良いんですけど。もちろんこれは、私の感想ですので、城氏についてご存じなかった方には本書は読みやすくお勧めですよ。

現在派遣社員で生活に苦しんでいる方が本書を読むと、空虚な感じがしませんかね。どの層を狙って書かれたんでしょう?

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