もらい泣きは「小説すばる」誌上で連載されたコラムをまとめた冲方丁先生の短篇集です。「怒り」をエネルギーにして書くことは「泣き」よりも容易く共感を得やすいけれども、人の心を穏やかにする「泣き」は千差万別であり、ほんの些細なことであっても感動できる人がいる。
数十人にインタビューして、各々の話を我慢強く聞いて、感動する要素を考えて一冊にまとめたのが本書です。約30話の、インタビュイーの話と冲方丁先生の考察、公募した話から成ります。
連載中に東北の地震があり、公募でも震災にまつわる話がありました。
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「家族」「信頼」「恋愛」が多いというのは、予想通りでした。感動って人と人との間で生まれるんですね。やはり一人ではそうはならない。ついで「動物」「病気・怪我」「死別」。
私が面白いと感じたのは「爆弾発言」と「心臓の音」の話ですね。こればかりは、あらすじを書いてもなんのこっちゃって感じなので、書きません。是非読んで欲しい。
- 作者: 冲方丁
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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