「のだめカンタービレ」の二ノ宮知子先生が描きます。オーバークロックというPCを規格を超えて動作させることに執念を掛ける人たちが熱い。
一目惚れした美女が虐げられていると思い込んだ音大生の奏(かなで)は、彼女を助けるため、“パソコンのF1レース”と呼ばれるオーバークロックのディープな世界へ足を踏み入れる。Wikipediaより
ついでにオーバークロックについては、
オーバークロック (Overclocking) とは、クロック同期設計の機器の動作クロックの周波数を定格の最高を上回る周波数にすること。消費電力や発熱の増加、信頼性・安定性の低下のリスクがあるが、それでもより高い処理能力を得るために行われる。
5巻まで出ていて、最初はこれってどうなんだろう、微妙かなと思いながら呼んでたんですけど、3巻辺りからぐいぐい引きこまれました。何の役にも立たないどうしようもないことに全力を注ぐって素晴らしい。
ゲーム&オーバークロックの大会に出てきていたパズーとシータの夫婦が良かったです。10年間引きこもってオンラインゲームをやり続け、結婚を機にFPSに転向。結婚資金を稼ぐために大会に出場と。真面目に働く気ゼロです。登校拒否の子を励ますために出場した先生たちも良いですね。励まされてる生徒がドン引きして、こんなことやってちゃダメだ、真面目に生きなきゃって思って学校に行くことを決めるほどです。
5巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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ハナは親の決めた婚約者から逃げるために、MIKEを訪ねていた丸田さんの牧場に行きました。そこで、丸田さんにOCを教わるつもりの奏も一緒に生活することになります。
牧場では、丸田さんのOCの熱中ぶりに子供たちが愛想をつかします。そりゃそうですよね。世界大会出場権をかけて、奏と一緒に3Dのベンチマークソフトに臨みます。点滴のように液体窒素を垂らして、最低動作温度をキープする技術を学びます。その技術は一体何の役に立つのか。
期限までにベンチマークに対してどれだけ高いスコアをさせるかという競技のようです。敵の沸点くんチームは期限ギリギリで相手の記録を上回ることを狙っているみたい。牧場で働く合間にOCに取り組みます。毎回ばらさないとダメなんですね。これは大変。
そうこうしているうちに、ハナの婚約者ぼっさんが牧場に登場。なかなか面白い人生ですね。小学校2年生の時に初めてふられるも、「運動神経悪い人嫌い」→小学校のダンスコンテストで全国大会の常連に。「学力に差があるから高校は別々に」→猛勉強に塾や家庭教師、親の協力もありハナと同じ高校に進学。「なんで私ばっかり見るの。視界が狭すぎ」→海外留学。「親のスネカジリ」→スマホアプリ制作会社を立ち上げて大金を稼ぐ。という風にハナの言葉をバネにとんでもなく頑張る人でした。しかし「デブは嫌い」の一言で無残に崩れ去ります。他のことは頑張れても食べることはやめられないんですね。
丸田さんと奏のOCは、奏のミラクルプレイもありワールドレコード更新で、世界大会へ出場できることになります。奏はバイト代を持って、実家に帰ってきます。が、実家にはなぜかハナが居ました。
実はどう考えても、主人公の奏こそが本当にダメ人間なんですよね。親のすねをかじりつつ、バイオリンの練習をほとんどせず。音感をゲームに活かしてます。
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