「無限の住人」の沙村広明先生によるマンガ。「ブラッドハーレーの歯車」と同じ系統です。単行本1冊の読みきりサイズ。
極寒のロシアを舞台にした車椅子の少女ビエールカと寡黙な従者シシェノークの話です。帝政ロシアからソビエトへと移る時代の中ですね。背景として共産党の力が強く、物資は全て配給されるもので、ロマノフ王朝が終焉を迎えている頃。
本作品の登場人物もまた、ロマノフ王朝と深く関わった人たちです。もちろんフィクション。ロマノフ王朝の王女が生き残っているのではないか、というのは未だに諸説ある話ですよね。ラスプーチンは、今まで読んだマンガの影響か、怪しい魔術師といった印象が私にはあります。
あらすじと感想(ネタバレ注意)
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車椅子の少女ビエールカと寡黙な従者シシェノークが、とある別荘への滞在許可を得ようとするところから始まります。その別荘は党の支配下にあるので、2人の身柄は拘束されて調べられます。シシェノークはなにやら重い病気を抱えているかのような描写、そしてビエールカがシシェノークに触れると何故かその症状が緩和されます。
あらすじは中々に複雑で、マンガならではで様々なシーンが入れ代わり立ち代わりです。ネタバレしちゃうとシシェノークこそが、ロマノフ王朝の最後の皇太子アレクセイ。血友病を患っていたと言われています。その血友病を唯一沈められるラスプーチンを大臣として重宝したところからロマノフ王朝の崩壊が決定的になっていったんですよね。
ビエールカは、ロシア貴族婦人とラスプーチンの間に生まれた不義の子。そのために父親から惨い仕打ちを受けて車椅子なしでは生きていけない体になっていました。
やはり見るべきはシシェノークとビエールカの2人の間にある愛情とも忠誠ともつかない感情ですかね。「ブラッドハーレーの歯車」が良かったと思える人なら、このマンガも面白いと感じるかも知れません。
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