吉富昭仁先生の短篇集。1話完結形式化と思いきや最後に思わぬ繋がりを見せます。最近の作品では「スクール人魚」が印象に残っています。一度見たら忘れられない絵柄ですね。
帯には鬼頭莫宏先生の「吉富さんがこんなにアホな人だとは思いませんでした(笑)」というコメントが。中身はかわいらしい美少女だらけなんですけど、奇想天外なSFネタが絡んできて笑いへと昇華しています。
あらすじと感想(ネタバレ注意)
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あしたのあたし
タイムトンネルになっている姿見を通じて、「あしたのあたし」から翌日起こることを教えてもらう少女。1日の終わりに「きのうのあたし」に今日起こったことを教えに行きます。
みえないあたし
透明になれる薬を手にした少女。その薬の用法のややこしいこと。効力は10分、30分、1時間と分かれ、飲み合わせで効力3倍や5倍があります。3分で切れていたのに気づかず、すっぽんぽんで街中を歩く変態少女と化します。
へんなねえさん
ある日突然一人っ子の少年のもとに、背中にファスナーを付けたお姉さんが登場。両親の記憶も操作しているようです。
はかせとあたし
あやしげな椅子を発明した博士。この話は固定観念がキーワードですね。博士のセリフをしゃべっていたのはいかにも博士然とした男性ではなく、少女の方。
この4つの無関係の話が、エロくリンクしていきます。中心になるのが「へんなねえさん」。小さい宇宙人が暮らすコロニーでありロボットでもあるお姉さん。地球に来て頭が良くなる受信機を女の子につけて博士にした後、タイムトンネル鏡や小さくなる薬、透明になる薬を発明させたのはコロニーの女王の妹。姉に変わってコロニーを乗っ取るのが目的でしたか。抱腹絶倒なのは、ロボットお姉さんを操作するピノチェピの頑張り具合ですね。地球人のシラコを取り入れるために凄まじい演技力を見せます。はかせとあたしに出てきた少女型ロボットはシラコの代わりにニョウを宇宙を飛んで持ち帰ったようです。何だそりゃ。
うーん。このカオス具合を絵なしで、ストーリーだけで伝えるのは難しいですね。とにかく変態としか言いようがありません。
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