コミックフラッパーで連載されていました。全4巻で完結。SFであり、舞台ははるかな未来。宇宙に変革を起こすほどの科学技術を手に入れた人類ですが、わずかな大地を残して世界は崩壊しています。その大地を覆うのは「情報の海」と呼ばれる有害な大気。壮大な世界観です。
主人公たちは人間と何らかの生物の混合である亜人であり、翼の生える天使でもあります。世界観を理解するだけで精一杯になりそうですが、本編は天使と「情報の海」から人類を滅ぼそうとする海洋類との戦いです。
以前紹介した「Astral Project」と同じく、読んでる分には楽しめるんですけど、理解しようと思うと解説が必要です。読み返しても、事象を理解するのが難しい。
あらすじと感想(ネタバレ注意)
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主人公は第六天使団のリーダー、ラキア。マリステラと呼ばれる代々引き継がれる最強の天使の称号を持ちます。人類を海洋類と呼ばれる魚類から守っています。海洋類の住処である情報の海は、水分ではなくティファレトと呼ばれる物質で満ちた空間。その空間で行動できるのはラキア達天使だけです。天使たちの役割は、海洋類からの人類の守護だけではなく、ビスマスと呼ばれる資源の算出もあります。ビスマスは、智天使と呼ばれる天使の羽が生えたイルカと天使が交わることで体に宿る技術、知識、エネルギーのこもった物体。
ここまであらすじを書いた所で、読み返しても難しいなーと思うかも知れません。読んでる限りは天使たちが日々の戦いを頑張ってる様子だけなんですけど、世界観を理解しようとするととたんに難しくなります。
徐々に情報の海に侵食される大地に対抗するために協会が下した決断は、天使たちによる聖地の奪還。この決断で裏から意図を引いているのがコルノの父アンブロズ枢機卿。コルノは第六天使団に所属し、ラキアを監視しています。さらに、ラキアが1巻で生み出したビスマスより5つの目を持つ協力な天使ノネットが生み出され、メンバーに加わります。
聖地奪還は全マリステラのシュレイルによってノネットが侵食され、失敗に終わります。というか、聖地には何もなかったんですね。この当たりをドルジ神父に告白する科学者の描写があるんですけど、わけがわかりません。戦いのシーンは生き生きとしていいんですけど、時折挟まれる世界描写の理解が難しすぎる。
アンブロズに指令を出していたのが旧世界の賢者達。まるでエヴァにおけるゲンドウとゼーレ。聖地奪還に向かった天使たちにとってはあっという間の出来事ですが、世界の大地では14年もの年月だったようです。滅びが加速しています。
シュレイルとの邂逅から眠ったままのラキア、妊娠していました。生まれたのはビスマスではなく褐色の肌を持つ赤ん坊。ノネットの力であっという間に少年に。この少年が終わりをもたらす存在救世主でした。アンブロズの告白を私なりに解釈するなら、旧世界の賢者達の賢者達は自分たちに都合のいい世界を夢見て何度も世界の想像と破壊を繰り返していたんですね。その作り物の世界を終わらせられるのが救世主の存在。
エピローグでアンブロズが「罪なき光」と呼ぶレーザーで救世主を攻撃した後の世界が描かれます。海も陸もありますね。この当たりの世界解釈を何らかの形で誰か説明してほしいなあ。
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