PHMPK.LOG

漫画、ゲーム、投資、育児

広告

王子様と灰色の日々 / 山中ヒコ(1)-(4)、大金持ちの御曹司と入れ替わった貧乏女子高生

広告

王子様と灰色の日々(4)<完> (KCx)

山中ヒコ先生が描く純然たる恋愛漫画。父親に売春を強制されるほど、貧しく不幸な暮らしをしていた女子高生が、ひょんなことから大金持ちの世界を知るというお話です。これだけ聞くと、なんだそりゃ、となるかも知れませんが、大金持ちの世界の住人もまたきらびやかな見た目とは裏腹に心に闇を抱えた人たちばかりです。

主な登場人物は少なく、シンプルな設定。

  • 大川敦子・・・主人公。貧乏女子高生で、失踪した至の身代わりとなります。

  • 乃木至(のぎいたる)・・・大金持ちの御曹司。後継者になるのを嫌がり失踪。誰にも話せない女装癖がある。

  • 関内遼・・・至の異母兄。敦子を至の身代わりにした張本人。至を乃木財閥の後継者にすることに執念を燃やす。

  • 向井信也(むかいのぶなり)・・・至と遼の幼馴染み。失踪した至を追う。

あらすじと感想(ネタバレ注意)

広告

貧乏な暮らしをしていた敦子はある日、至・遼・信也の3人に出会います。敦子と至は男女の違いこそ有りますが、体格も顔も瓜二つでした。至に拉致されて散々な目にあった敦子ですが、後日遼から至るの身代わりになるよう依頼されます。理由は至が失踪したためです。乃木家の成人の儀式が近づいてきており、失踪がバレると至の後継が危うくなります。そのため、遼の指導で敦子は至の身代わりを務めることに。報酬の100万円につられました。母から褒められたキレイな黒髪を、みずから切り裂きます。

執事や信也、至の後輩にバレたりはしますが、不断の努力で至になりきる敦子。母親ですら入れ替わりに気付きません。というか、この母親はおかしいですね。自分の子供ですら、汚いものとして扱っている。随所に現れる大金持ちの心の荒みっぷりが半端ない。

至になりきるために努力する敦子に遼は惹かれていきます。敦子は、至の部屋に残されたものから至の女装癖を知ります。信也は街で女性の格好をした至を見つけ、後を追います。至はオカマバーに住み込みで暮らしていました。大金持ちのおぼっちゃんなのに意外と順応性が高い。

随所に見どころはあるんですが、やはり終盤の成人の儀式に進んでいくクライマックスが素晴らしい。遼の弟への気持ちを知り、惹かれていく敦子。この時点で両思いですよね。

式の最中に乱入してくる至そっくりのドレスを来た女性。もちろん本人です。しかし、祖父は女装した至の存在を認めません。乃木家の安泰が、身内の存在を凌駕するという価値観の持ち主。しかし、至は自分が本人であると認めさせます。実は、式に至を呼び出したのは敦子。遼の気持ちを知った上で、至と遼の関係を思いやっていました。

敦子は手紙に遼への思いを残して、姿を消します。エピローグもかわいらしくていい感じです。報酬が振り込まれた銀行口座を覗くと、そこには10倍の1000万円が振り込まれていました。律儀に900万円を紙袋に詰めてこっそり乃木の屋敷に返しに行く敦子。そこで遼に拉致されます。アルバイトをしながら、家賃を払って乃木の屋敷に住むことになります。どうしようもなかった父親もハローワークに通って仕事を探しているみたい。

まあ結局は、いわゆる王子様との恋愛に落ち着いたわけですが、うまく登場人物全員の気持ちに決着を付けて終わりを迎えたので、読後感が爽やかでいいかんじです。やっぱり私はハッピーエンドが好きだな。

王子様と灰色の日々(1) (KCx)

王子様と灰色の日々(1) (KCx)

王子様と灰色の日々(2) (KCx)

王子様と灰色の日々(2) (KCx)

王子様と灰色の日々(3) (KCx)

王子様と灰色の日々(3) (KCx)

王子様と灰色の日々(4)<完> (KCx)

王子様と灰色の日々(4)<完> (KCx)

関連エントリ

儚い羊たちの祝宴 / 米澤穂信、あらすじと感想 - PHMPK.LOG

phmpk.hatenablog.com

phmpk.hatenablog.com

広告

広告