いいかげんな神様のもと、同じ日に亡くなった男女8人が「天国」と呼ぶ場所で「ラブゲーム」を行うことに。ラブゲームの勝利条件は男女が相思相愛になること。勝利すると生き返ることができます。ドラマ化もされたきら先生の作品、10巻で完結します。
神様を除いたゲーム参加者は、
女性陣が暁凛(あかつきりん)、城之内静江(じょうのうちしずえ)、アリエル・カーター、吉野茜の4人
男性陣が一ノ瀬ユアン、高橋大樹、山郷賢一(やまごうけんいち)、小野寺真、佐藤弘の5人
最初は8人で始まったゲームですが、神様の気まぐれで吉野茜が加わり9人となってゲームが展開されます。ゲームの中心は、抜群のルックスを持つ若手人気俳優の一ノ瀬ユアン。ただユアン自身は誰に対しても心をまったく開かず、ゲームの勝利に何の興味も示しません。そんなユアンを勝利させるべく、本来ゲームを仕切るだけのハズの神様が贔屓や妨害を繰り返します。
あらすじと感想(ネタバレ注意)
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最初は自分の死や、置かれた状況が飲み込めない面々でしたが、本格的にゲームが始まると、まず大樹と静江がカップルになったと嘘をついて生き返ろうと画策。しかし、この目論見はメンバーの心を見ることができる神様に見破られてしまいます。
その後は、お互いのことを知りあうというありがちな展開に。ミュージシャンとして売れなかった弘や元モデルで脂肪吸引手術の失敗で死んでしまったアリエル。真面目すぎることにコンプレックスを抱いていた真は、煽られて急性アルコール中毒で亡くなっていました。お互い心の内を話して打ち解けていきます。
不穏な空気を見せるのは賢一。他の人には話せないセックス依存症を抱えていました。神様に何とかしてもらおうと話に言った時に神様の「本当の姿」を見てしまいます。その姿を離さないことと引き換えに、部屋に娼婦を出してもらいます。
希望すれば、触れることはできないまでも天国から下界へ行けるということで、各自が自分の死後どうなっているのか確かめるために下界に降りていきます。ここで、それぞれの登場人物の背景が全て明らかになります。ユアン以外は、ですが。
神様にだけ見える心の中で、弘と茜がお互いのことを隙になっていることに神様が気付くと、あからさまな妨害を繰り出してきます。言葉巧みに弘を絶望させ、ゲームから追い出すためにブラックホールに誘います。ここまでされて、メンバーの神様に対する疑念が沸点に。ユアンと神様の関係を疑います。そしてユアンが「俺はユアンじゃない」と告白。
全員がユアンだと思っていた人物は、ユアンの双子シオン。ユアンとシオンは、シングルマザーに育てられていました。父親は外国人で、母は父親が息子たちを連れ去っていくことを極端に恐れていました。そのために、幼い頃は住居を転々とする生活。街でスカウトされたユアンが俳優としてデビューすると母の恐怖が頂点に達してしまいます。父親に連れ去られることを恐れるが余り、ユアンを刺してしまいます。瀕死で苦しむユアンに頼まれてトドメを刺したのがシオン。その後、シオンはユアンに替わって俳優として生きていました。シオンにはユアン以上に俳優としての才能がありました。
そして、神様の正体はユアン。ラブゲームの神様を勤めていると、ある日自分のゲームに双子のシオンが紛れ込んでしまったのです。そのシオンを生き返らせるため、自分の代わりに俳優として生きて苦しんでもらうために、贔屓屋妨害を繰り返していました。
すべてが明らかになるも、神様の更に上位にいるマザーが、ゲームにタイムリミットを設けてきます。神様であるユアンは、妨害を認めさせるためにマザーと取引をしていました。ゲームを思い通りにする代わりに、タイムリミットまでにシオンを勝利させることが出来なければ、ゲームを無効として「シオン以外」を生き返らせるというもの。
全員が助かることを喜んで自らブラックホールに歩を進めるシオン。シオンを追いかけたのは凛でした。タイムリミットと同時に相思相愛になるシオンと凛。
エピローグで、シオンが自殺未遂を図ったというニュースが流れ、それをきっかけとして死ぬはずだったラブゲーム参加者が死なずに済む様子が描かれます。弘と茜は、このあとうまくいくのかな。凛とシオンは病院の窓越しで見つめ合います。ユアンは、神様を継続しているようです。
ご都合展開のハッピーエンドといえなくもありませんが、これはこれでうまく収まってますね。
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