現役高校生でマンガ家の主人公が、マンガ専門学校の講師を務めるという設定で、さまざまなマンガにまつわるメタが散りばめられるマンガ。「キメラ」「人造人間カティサーク」の緒方てい先生の作品。これまでのファンタジーバトルとは一線を画したテーマ。ジャンプLIVEで始まって、現在は少年ジャンプ+に連載されています。
作者を投影したのかどうかわかりませんが、主人公の高槻勇斗は「ソウルブレイド=イグニッション」というやや中二病あふれる名前のバトル漫画の連載を終了後、ウィンドミル漫画専門学校で講師を務めることになります。舞台は関西、キャラクターは概ね関西弁をしゃべります。マンガの中で漫画を描く人を描くという事で「サルまん」に通じるものもあります。
2巻までのあらすじと感想(ネタバレ注意)
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連載していた作品が終了した現役高校生マンガ家の高槻勇斗は、連載作家として失われた青春の高校生活を取り戻すべく、学校に行こうとしますが、ピンチに陥った漫画家のアシスタント依頼を断りきれず引き受けることに。そして、出席日数ギリギリでしたが、徹夜のアシスタントがたたって単位を落として留年してしまうことに。
留年を取り消すための条件として、ウィンドミル漫画専門学校で講師を務める話を持ちかけられます。高校と専門学校の校長・理事長が姉妹だからできる荒業。迷っていると自宅では80年代にマンガ家をしていたという霊の天王寺あきらが出現。あきらの後押しも得て講師を引き受けることに。
専門学校には個性あふれる生徒たちが。元ヤクザの岸和田を筆頭に、元OLで陰陽師後を引く柱本、勇斗の熱烈ファンで合気道の達人千林、車椅子の少女佐井寺、幼馴染で恋人同士かと思いきや二人共男の枚方と北千里。
マンガの演出におけるテクニックや、人物描写の練習など地味なマンガの基礎ですが、それをマンガにすると面白い。剣を持ったキャラを描く練習で無駄に「卍解」とか言っちゃう枚方。理想の異性キャラを描けと言われて、目の前の勇斗を模写してしまう千林。そしてラブコメ展開になった時のスクリーントーンを感じ取ってトーン番号を言い当てる柱本。本気でマンガ家を目指すために羞恥心を捨て去った人だけに見える霊のあきら、という設定だということを自分で述べるメタ的なキャラクター説明。
キャラは立ってたんですけど、いまいち本編に絡んで来なかった岸和田は、オタク2人にまどかマギカのオマージュと思しき「魔法少女ナンタラ&カンタラ」を見て萌えを理解。
今までの緒方てい先生の作風からは考えられないほどはっちゃけたマンガ。大阪出身なのか、キャラクターの関西弁も自然で、すべてのキャラクターのセリフが躍動感溢れています。今年に入ってから、震えるくらい面白いマンガがたくさん出てきてるような。当たり年ですね。
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