東村アキコ先生の自伝マンガ。主役である東村先生よりも、恩師である日高先生のほうがキャラが強烈。この5巻で完結となりました。
コールセンター勤務しながら、日高先生の絵画教室のアルバイトをしつつ、家ではマンガを描く。そんな過酷な生活から連載が決まった東村先生。大阪に拠点を移します。日高先生にちゃんとお別れの言葉を言えなかったことが描かれてますが、その日高先生から肺にガンが見つかって、残り4ヶ月と宣告されたという電話が。教え子を心配する日高先生に「受験までアイツら教えてくれ、教室継いでくれ」言われて呆然となります。
5巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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翌日の朝の便で宮崎に飛び、日高先生の教室に行くとそこには大量の来客が。みんな元生徒たちで、東村先生に連絡した後で動揺の連絡を全員にした様子。みんな日高先生の性格がわかっているのか、淡々と作品を整理。どさくさに紛れて、一輪挿しを4万円で買わされます。その後、締め切りが迫っていることもあり、日高教室を継ぐ事無くマンガを描きに戻ったことを後悔する言葉が。大阪に戻ってからは、マンガを描くことに必死で先生のことを考える余裕なんて無くなってしまったとも。
遅れて大学を卒業した西村くんも、就職して大阪で働くことになり楽しい同棲生活。一度両親に無理やり実家に帰らされると、余命を過ぎてもそれなりに元気な日高先生の姿がありました。しかし、しばらくするとやはり痩せてどんどん弱っていく姿が。
再びマンガを描いているときにかかって来る先生の訃報を知らせる電話。葬儀で、懐かしい面々との再会。先生が言っていたことはみんな同じ、「描け」と繰り返す言葉。日高先生との思い出はここで終わり。
その後、東村先生は上京してマンガを描くことにになり、西村くんと離れてから、誰かとの結婚・出産・離婚といった変遷を経てどん底のマンガ家生活もありーの現在に至るとのこと。日高先生の厳しい声を聞いていた日々に比べると、東村先生のマンガをネット上でこき下ろす声なんてただのフォントと言い切る心の強さ。
東村先生のマンガ家生活を描いていると見せかけた、日高先生との思い出のマンガはこれにて完結。東村先生が次々にマンガを生み出す力の源を見た気がします。
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