賭ケグルイ / 河本ほむら / 尚村透(3)、ESPゲームで希死念慮の妄を完膚なきまでに叩きのめす夢子

月刊ガンガンJOKERに連載されているギャンブルマンガ。ギャンブルの舞台はエリートだけが通うことのできる私立百花王学園。ギャンブルで稼いだ金額がすべての序列を決定するという一風変わった校風の学園。

主人公は、そんな百花王学園に転校してきたギャンブル中毒の蛇喰夢子。学園を支配する生徒会の謀略で大量の借金を背負うことになった夢子は、債務者たちを集めた「借金つけかえゲーム」にて、見事に借金を他人に付け替えることに成功します。

3巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

大量の借金を背負った夢子が狙っていたのは、公式戦を申し込む権利。家畜身分の唯一の権利は、生徒会に対して公式戦を挑むこと。

生徒会も夢子の振る舞いにも着目しています。独自の調査によると、両親は他界しており、姉が一人いるだけ。その姉も何らかの理由で大学病院に長期入院しており、その費用は夢子がどこからか調達してまかなっています。資金の出処は不明。早乙女に、その生徒会の会長である桃喰綺羅莉(ももばみきらり)が接触してきます。理由は生徒会への勧誘。

夢子の次なるギャンブルの相手は、生徒会の美化委員長である生志摩妄(いきしまみだり)。賭け金は10億円。ギャンブルは「ESPゲーム」。お互いにカメラ越しでモニターされた部屋で、ESPに使うマークの書かれた5枚のカードの並び順を当てるゲーム。ディーラーが裏返しに並べた後で、プレイヤーの夢子と妄がそれぞれ5枚並べて当たった枚数を競います。そして、勝ったほうが上回っている枚数分、ロシアンルーレット用の銃の引き金を相手に向けて引きます。これを3セット。

ロシアンルーレットに使う2丁の銃に込める弾の数はお互い自由。普通に考えれば勝つためには6発とも入れればいいんですが、カード当てが終わった後で勝者は2丁の銃のどちらかを目隠しで引くので負けた時のリスクが上がります。

1セット目は3対2で夢子の負け。妄の銃には6発玉が込められています。引いた銃は夢子のもので弾が込められていなかったのでここでは決着付かず。ディーラーの鈴井は少しでも夢子が有利に成るように、2セット目は1セット目の夢子とまったく同じ並びにします。その思いを汲み取って、5枚全てを当てる夢子。5対3で勝利。しかし、夢子の狙いは命を取らない引き分けなので、ここで妄の銃を引いてしまってはパァ。きっちりと夢子の銃を引き当てます。6発込められた銃とは重さが異なるので、見分けるのは容易。

ここで仕込んでいたイカサマを発動させる妄。鈴井はすぐに気づいて抗議しますが、ゲームは続行。イカサマは映像を左右反転させるというもの。さらに、妄は夢子がこのイカサマに気づくことを承知で5枚全てをわざと外してきます。人を殺すのを嫌がる夢子に引き金を引かせて、自身は最高の生死のスリルを味わおうとしています。というかわざと負けようとしています。その考えを看破して3セット目は両者ともに0対0で決着。引き分けにすることができたので事実上夢子の勝利です。

早乙女は生徒会への誘いを断ったので、3人ははっきり生徒会に楯突いていく形になってきています。次は3対3のギャンブルとかかな。