漫画家を目指す伏見紀人の成長譚。タイトルのリンはヒロインで霊感を持つ石堂凛のこと、たぶん。
凛は推薦で東京の大学への進学を決めており、紀人も連載作家として東京に上京することを目指します。ヤング・ブル杯に挑んだ作品「オールド・ボーイ」は、残念ながら瀧カイトに次ぐ2位。ですがアンケート結果拮抗していたことや編集部の評判が良かったこともあり、続編で読切りを描くことに。
武藤さんが推すエロ路線ですが、他の武藤さんの息がかかった人たちも圧倒的な画力でエロを盛り込んできているのを見て方針を変える紀人は、続編で武藤さんをうならせるネームを送ります。
10巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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「正統派のマンガで勝負したい」と言う紀人に対して、編集の無糖の返事は「好きなことだけ描きたいなら同人誌でやればいい」。納得はできませんが、武藤の言うとおりエロ路線でネームを描き直します。
しかし、武藤イチオシの描き直したオールド・ボーイ飛翔編は日の目を浴びることはありませんでした。6月の異動で交代した編集長の方針により、「全体のテイストがエロすぎる、中身がない」と切り捨てられます。落ち込む紀人ですが、武藤からはベテラン水野プロのアシスタントを持ちかけられて承諾、上京します。
連載ならずアシスタントを引き受けることになるまでに挿入される、姉の病状がどんどんひどくなっていくシーン。海外の彼氏のもとに行くはずだったのが、拒絶されたかのような描写もありました。「紀人は東京に行きな」「姉ちゃん紀人の漫画読みたいな」というセリフによる姉の後押し。
アシスタントが寝泊まりする6畳間を借りれるという事で、寝泊まりする場所の心配はありません。「鬼軍曹」と呼ばれるアシスタント原さんの厳しい指導と叱責をものともせず、どんどん技術を吸収していきます。最後にはチーフの川崎さんが急病でピンチに陥った時にストーリー全体の山場となるシーンを描きあげるほど。その成長は水野プロをして「彼が思う存分描いた漫画を読んでみたいよ」と言わしめるほど。
上京を決断するまでの同級生たちとの交流のシーンが多くて、メインストーリーはそんなに進んでいませんが、少しずつ紀人が本当に描きたい漫画を描く、という方向に向かっています。エロ路線ははじき出されて、王道ストーリーに。
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