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累-かさね- / 松浦だるま(6)、指しか動かせない状態から死を野菊に懇願するニナ、ニナを失った累が次に狙うのは野菊の顔

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累(6) (イブニングKC)

醜悪な容姿を持つ主人公の淵累(ふちかさね)が、魔法の口紅の力で他人の顔を奪い取って、圧倒的な演技力で舞台に立つ女優となる話。マンガだけじゃなく小説も出ていて、そちらは累の母いざなのお話。タイトルから名前の漢字が誘(いざな)であったことがわかります。

誘 (星海社FICTIONS)

誘 (星海社FICTIONS)

植物人間となってしまったニナになりかわり女優活動と続ける累は、異母妹の野菊と出会います。丹沢ニナの家に鍵が掛けられている部屋を怪しむ野菊。累の顔をしたニナが植物状態になって顔を奪われていることを知ります。さらに、父の仕事部屋を探りに行った時に、魔法の口紅について書かれた手帳を発見。累とニナの入れ替わりを確信します。

植物人間になってしまったニナが指を動かすシーンもあり、ちゃくちゃくと累の置かれた立場が危うくなってきています。

6巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

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ニナの母親と親しくなり、ニナから預っている部屋の鍵を盗み出す野菊。その鍵を使って植物状態となったニナと相対します。そのとき、再びかすかに動くニナの指。ニナはいつからか植物状態ではなくなっていました。意識はありましたが、指1本をわずかに動かせるだけ。「はい」なら1回、「いいえ」なら2回と言った具合で野菊とコミュニケーションを取るニナ。

指しか動かせないニナの意思は壮絶。野菊に自分を殺して欲しいと懇願します。「にせものはいらない」「ころして」という言葉を指で伝えるニナ。累の舞台を見て涙を流すほど感動した上で、「偽物ごときが本物に迫るなど許さない、私が殺してあげる」と宣言。

そっと枕を顔に押し付けてニナを殺す野菊。死に至るまでのニナ自身の回想も悲劇的。植物状態になったと思い込んでいる累は、ニナに向かって毎日懺悔の言葉をかけていました。しかし、いつしかその言葉も無くなります。累の唇が日に日に美しくしっとりとしていくことを感じるニナは、ついに死を渇望するに至ります。そこから野菊との出会いに繋がったわけですね。

ニナの死を知った累と羽生田は、すぐさまニナの死を隠すための行動を開始。死体になってからも数日間は口づけの効果は有効でした。その間にアリバイ工作。毎回期限が短くなっていることを羽生田はいざなから聞かされていました。ということは、いざなは死体に口づけした経験アリという事ですね。

逃げた先のアパートで塞ぎこむ累と次の顔を探す羽生田。罪の意識に悩まされる累ですが、「嫌だ、生きる最期のその瞬間まで光の中で美しく在りたい」と叫び、恐ろしい表情になっていきます。「本物の私になるために、生きるために、美しさが必要なのよ」と宣言。そのとき累の頭に浮かんだのは野菊。

恐ろしいことに、次は累が野菊の顔を奪わんとする展開になりそうです。着実に母であるいざなの人生を追体験していますね。6巻もすごく面白くて、7巻が楽しみなんですが、小説も気になる。

累(6)

累(6)

累(6) (イブニングKC)

累(6) (イブニングKC)

誘 (星海社FICTIONS)

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