魔法少女・オブ・ジ・エンド / 佐藤健太郎(10)、悪魔の力を得た忍の暴走、姫路を作った男の正体が明らかに

まじかるー。

8巻までで黒幕だった姫路の手により、魔法少女の子がさらわれ、全員がやられた上に貴衣とつくねの体まで回収されてしまいました。9巻からはSeason 2がスタート。舞台となっているのは貴衣たちが亜種魔法少女に襲われた時よりも未来の2030年。主要な登場人物は全員製薬企業ヴァレリーベの関係者。

天才的頭脳を持つ社長の息子の白金忍が、母親を蘇らせるために魔法少女の血を研究。研究の末、何らかの薬を完成させて実験として自らの体に投与します。一度は倒れるも、復活して病室から脱走。隣に住む魔法少女の花飼みかのにその変わり果てた姿を見られた所で9巻は終わっています。

ヴァリレーベ内には、女性の体を持つ姫路弥を試験官で育成している怪しい影も見え隠れ。

10巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

強大な力を制御しきれず街で暴れまわる忍の前に現れたのは、姫路と生みの親の男。男はパペットマスターのお面をかぶっています。幼稚な頭ながらも絶大な魔力を持つ姫路と忍の戦いに突入。男の目的は忍を実験体として捕獲すること。

最初こそ攻撃を食らわせることができた姫路でしたが、ダメージをそのまま反射する、自在に相手の体を引き寄せる、手から大量の刺を出すといった魔力を使って圧倒する忍。そのまま街一帯を消しとばす攻撃で姫路をあっさりと倒します。まきこまれそうになったみかのを守ったのは魔女のお母さん。花飼みかのの母親は魔女なんですね。

暴走する忍はそのままみかのも手にかけようとします。忍の力は魔法少女ではなく悪魔のもの。トドメを刺そうとしたとき、何らかの力で元の姿に戻る忍。そのままみかのと忍は魔女に連れ去られます。その後、ヴァリレーベでは女性社員ばかり9名が退職して行方不明に。花飼みかのの父親は自殺したことが、警察にいる芥たちの捜査の様子からわかります。

魔女、忍、みかの3人のやりとりから、いろいろなことがまたわかります。魔女は忍に「心を強く保て」「悪魔の支配に飲まれてはならない」と。悪魔の再臨には男の体が必要で、悪魔と契った最初の女性は、以降自分たちの子孫が全員女になるよう遺伝子に細工をしていました。暴走した忍が止まったのは、忍の意思ではなく誰かの魔法の力によるもの。

忍と姫路が戦っていた現場に残されていたバッジから、ヴァリレーベ社員の中に魔法少女が居て忍を止めたことがわかっていた姫路を作った男は、社員を次々にヴァリレーベの地下に捕えていました。安倍乃マリアが目覚めた時に、男の正体が明らかになります。存在感なく登場していた真壁敬人。マリアは忍を止める魔力を持つ魔法少女。

真壁は本名ではなく偽名で他に正体が有りそうですが、その真壁からは失敗作の姫路を廃棄して悪魔の力を持たせるために男の体で作りなおした姫路の姿が。こちらが、過去に戻ってきて魔法少女を集めていた姫路本人ですね。

殿ケ谷が魔法少女を13人集めて行う儀式についてつくねに尋ねに行くシーンや、貴衣とつくねが出会うシーンもあったりして伏線はそこかしこに散りばめられていますね。マリアがこのあと真壁の実験体にされたことで、いろいろあって殿ケ谷は本気でタイムマシンを作ったのかな。