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待機児童ゼロは子供のいないディストピア

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待機児童ゼロチャレンジなる呼びかけが拡散しているのを目にしました。保育園に絡めて「日本死ね」なんて言う人も。

happy-twinslife.com

anond.hatelabo.jp

記事のタイトルに「#taikijidou0challenge」を入れて、Twitterでのシェアや「待機児童」について考えを発表して欲しい人を指名する形で拡散しています。待機児童を減らそうという掛け声は今に出てきたものじゃなくて、小泉政権の2001年から「待機児童ゼロ作戦」として始まっていました。それから15年経って、事態は改善するどころかますます悪化しています。おそらくこれからも良くなることはないでしょう。

現在の状況は、

  • 厚生労働省の発表によれば、2015年10月1日時点の待機児童数は43,184人。しかし、裏には潜在待機児童が80万人以上いると思われている。MAXで考えれば、300万人もの規模でいても不思議じゃない。

  • 認可保育園に巨額の補助金を投入して保育料を安くしているため、無認可の保育園が増えない。認可保育園の増設は予算的にも難しい上に、保育の業界団体や労組が「子どもの安全」を錦の御旗にあらゆる規制緩和に反対してくる。

その気になればいつでも解決できそうなのにいつまで経っても解決しないのは根本的に解決策が間違っているから、もしくは問題の本質を取り違えているからです。「待機児童ゼロ」が目標なら、お金も手間もかかるやりかたじゃなくても簡単に達成できます。

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  • 保育園に投入するあらゆる補助金をやめてしまう。ち○りんあたりが言い出しそうですが、市場原理に任せて新規参入を増やして非効率な経営がなくなっていけば待機児童はゼロに近づきます。おそらく保育料が跳ね上がって(現在の補助金から換算すると1ヶ月20万円から30万円、東京に限定すればもっと高くなる)誰も預けなくなるでしょう。預けようとする人が居ないので待機児童ゼロ、みんなホッコリ。

  • 子供のいる家庭から、保育保険と称してお金を徴収する。介護保険と同じにすれば、税金に無頓着なサラリーマンから搾り取れます。保育園の負担が大きい自治体では、保険料を上げればなお良し。子供がいるだけでお金を取られるとなれば、お金のある人以外は誰も子供を産まなくなって待機児童ゼロです、みんなニッコリ。

「待機児童ゼロ」に向けて取り組むと子育てを支援していると評価されるなら、子供を持つ親に対して頑張っているフリをして実際には期待されるものとは全く逆の政策を実施しようと思いませんか? 私が首長ならします。そうするようにコンサルもします。もちろんホンネとタテマエは別で。当然でしょう。政府や自治体の取り組みじゃなくても、働くために子供を預ける場所が必要で他にも待機児童がたくさん居て保育園に入れられないなら、

  • 子供を生むと保育園に入れられないから大変だ、と周りの人に有形無形の「子供を生まない」ようにする圧力をかける

  • 働く場所から遠い不便なところ(都心部と違って保育園の空きはある、子育てに適しているとは言えない)に住むよう他人に推奨する

  • 子供にとっての祖父母に子育てを丸投げアウトソースさせる

といった行動を個人が取るようになりませんか?「待機児童ゼロ」という単語の起源がどこなのか知りませんが、この目標は各自治体がポピュリズムに迎合する(#taikijidou0challengeに賛同するような)足りない人たちを丸め込むための思考停止ワードだと知るべき。

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