賭ケグルイで蛇喰夢子が転校してくる1年前を描くスピンオフ作品。主人公は早乙女芽亜里、本編ではイントロとも言える投票ジャンケンに敗れた後、敗者復活戦の2枚インディアンポーカーで夢子と組んで見事借金の付け替えに成功。生徒会の勧誘を断って、夢子側に着くことを選んでいます。
夢子が転向してきた時には、鈴井涼太を家畜にしてクラスを牛耳っていましたが、そこに至るまでどんな経緯があったのかわかるわけですね。
1巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
広告
転校してきて、ギャンブルがすべてを支配する校風に驚く芽亜里。上流階級の子女が通う学校とのことですが、芽亜里は特待生で入った苦学生ということが明らかになります。幼馴染のお嬢様、花手毬つづらに学校の説明をしてもらって、学校の仕組みを理解します。 とりあえず、生徒会に収める上納金10万円を稼がなければ、最下層の価値組分に落ちていくことを知り、クラスメイトに誘われたギャンブルに挑みます。
時短大富豪
手札5枚で1枚ずつだす大富豪。ジョーカー > 2 > 1 > ・・・ > 3 > ジョーカーという強弱関係。どの3でも問答無用でジョーカーに勝てるルール。
1回の賭け金1万円からスタートして、ズルズル負けていく芽亜里。20万円負けてイカサマを疑いますが、カードに異常は見当たりません。カードの裏には赤外線カメラを通してみた時だけ見える模様の違いがあり、相手の隣にいる人物がカメラを通して芽亜里の手札を見て、背中に文字で伝えていました。
そのイカサマを看破して、切り札をつづらに託すと話し、3のカードをつづらにもたせます。相手は、その3を見てジョーカーを出すタイミングをパスしてしまい、芽亜里が隠していたジョーカーで刺されます。3はすでに終わったゲームの山から拾って、つづらに渡しただけ。切り札のジョーカーを重ねて隠しておくというのは芽亜里の策略でした。カードを裏側から読めることを看破したからこその作戦。
この学園の仕組みを知った芽亜里が向かったのは、図書室でした。賭場を自分で開く権利をゲットするのが目的。自分で設計したギャンブルであれば、イカサマを仕込むことも含めて容易にお金を集めやすくなるためです。図書室にいたのは、賭場を維持する上納金を納めるのもギリギリになっている戸隠雪見
スリーヒットダイス
サイコロを5回投げて3回連続してアップ(4,5,6)かダウン(1,2,3)の出る目を先に当てた方が勝ち、というギャンブル。
例えば、「UDU」を指定してサイコロを転がした結果が「1,4,5,2,3」ならば「DUUDU」となり指定した出目が含まれるので当たり。
サイコロを振るのが無関係の第三者である生徒会なので、イカサマの可能性を考慮しつつ確率重視で芽亜里はUUDを指定します。相手の雪見が選んでいたのはDUUでした。
このゲームでイカサマを仕掛けてきたのは、相手ではなく生徒会でした。芽亜里が出目を書いた後で、それにかぶせる出目を後から出すという確率的に優位に立つイカサマ。UUDの前二つUUにDをかぶせることで、先に出やすくするわけですね。UDUならUUD、DUUならUDUといった具合。
芽亜里はUUUと書くと、戸隠が書いて出したカードをDUUにすり替える生徒会。戸隠はすり替えに気付いて動揺しますが、自分が勝てるならとだんまりを決め込みます。そして、サイコロを振り始めてから、自分のカードにわざと水をこぼしてDDUの文字を浮かび上がらせます。ペンと除光液を使っての合わせ技。DUUの前にDDUが成立して勝利します。
この勝利で生徒会に目を付けられた芽亜里ですが、手に入れた賭場で自らが設計したギャンブルを開催します。
魔法のダイスゲーム
黒(3,3,4,4,8,8)、白(1,1,5,5,9,9)、赤(2,2,6,6,7,7)、3つのダイスを使ったギャンブル。プレイヤーがダイスを選び、ディーラーが選んだダイスと出た目の大きさで勝負します。ポイントは、ディーラーが必ず後に選ぶこと。これにより、必勝ではありませんが、やれば必ず儲かるギャンブルが成立します。直感的には理解しずらいですが、サイコロには赤>白>黒>赤の強弱関係がありました。
1 | 5 | 9 | |
---|---|---|---|
2 | 赤 | 白 | 白 |
6 | 赤 | 赤 | 白 |
7 | 赤 | 赤 | 白 |
2 | 6 | 7 | |
---|---|---|---|
3 | 赤 | 赤 | 赤 |
4 | 黒 | 赤 | 赤 |
8 | 黒 | 黒 | 黒 |
3 | 4 | 8 | |
---|---|---|---|
1 | 黒 | 黒 | 黒 |
5 | 白 | 白 | 黒 |
9 | 白 | 白 | 白 |
生徒会の壬生臣葵は、この3すくみを看破したうえでイカサマなしの勝負を挑んできます。壬生臣の勝算はその資金力。相手の予算が100万だと知るや、100万円で勝負。負けると掛け金を200万円に。さらに400万円に倍プッシュでこられて確率的にちょっぴり有利とはいえ、敗北を喫します。掛け金を途中で上げていけるというのが完全に穴でしたね。
勝った壬生臣は、現生徒会長の桃喰綺羅莉を倒すために協力するよう持ち掛けてきます。
本編を上回るとんでもプレイはやはり出てきませんね。手堅くイカサマを使えるときは使って勝つという芽亜里のスタイルだと、ちょっと盛り上がりに欠ける気がします。これはこれで堅実にギャンブルで勝つ王道という感じで面白いですが。読んでみて驚いたのは物語よりも絵の方。斎木桂先生はこれがデビュー作ということですが、本編にも見劣りしない高い画力です。
賭ケグルイ双 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスJOKER)
- 作者: 河本ほむら,斎木桂
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2015/12/22
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: 河本ほむら,斎木桂
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2015/12/22
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
関連エントリ
広告
3月8日発売の新刊
- 作者: 本田真吾
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2016/03/08
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 渡辺航
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2016/03/08
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 板垣恵介
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2016/03/08
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る