3×3EYES 幻獣の森の遭難者 / 高田裕三(3)、実はツンデレだったゲゲネイズと共闘して最強ベナレスに挑む3巻

1987年に始まって2002年に完結した「3×3EYES」の続編。

物語の中心にいるのは、かつてベナレスに仕えていた時間加速と合成の力を持つ魔獣ノルマンテ。そのノルマンテの力を利用してゲゲネイズが、八雲の腕を奪い取り、自分の肉体に合成し、不死身の力を手に入れます。ゲゲネイズの狙いは、再びベナレスを地上に呼び寄せて戦乱を起こすこと。地上でエキドナが動き始めているのを察知したカーリーが、面白そうだという理由で地球に降り立ちます。

3巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

獣魔の卵を産む獣魔であるエキドナと契約するゲゲネイズ。エキドナとの契約により大量の精を吸い取られた八雲は動けなくなります。ゲゲネイズはさらに、地上に現れたカーリーを追い詰めてベナレスを呼び出させようとします。

カーリーを守るために、葉子とセツが呪的罠を解除しますが、ゲゲネイズに操られたウコバクがカーリーを殺しにかかります。カーリーに命の危機が迫ったときに、とうとう姿を現すベナレス。

ゲゲネイズとベナレスの戦いが始まりますが、ゲゲネイズは自分が勝ったら「ノルマルテを九頭龍将にしろ」と持ち掛けます。ノルマルテがベナレスの配下に戻ることができれば、寿命を縛る砂時計から解放されるとあって、ノルマルテはゲゲネイズに協力を余儀なくされます。

完全な悪役に見えたゲゲネイズでしたが、自分に再び戦いという生き甲斐をもたらしてくれたノルマルテに恩義を感じているツンデレでした。時間加速・不死身・すべての獣魔術を無効化するエキドナとの契約という3つの武器でベナレスに対抗しようとします。

しかし、もちろんこの程度の力ではベナレスにはまったく歯が立ちません。八雲たちは、ノルマルテの命を救うためにゲゲネイズに加勢するという展開になります。どう見ても手助け不要なベナレスにはカーリーが加勢。案の定カーリーが足手まといで、エキドナに攻撃したときに逆に死にそうになり、ベナレスの無限の力が発動します。これで、完全に打つ手なしに。

ベナレスは、自分の精をエキドナに供給して分裂を促します。エキドナの群れに覆い尽くされていく地上。「永遠にこの地は闇に覆い尽くされればよい」と言い放つベナレス。

地下では、ボロボロのハーンがエキドナを送り還すための魔方陣を敷いていました。ベナレスがすべてを破壊してしまうまでに間に合うか、というとことで3巻は終わり。

とうとう出てきてしまったベナレス。結局そんなに悪いやつはいなくてツンデレだったゲゲネイズ。やはりベナレスを越える敵役は出てきませんでしたね。