鉄拳チンミは前川たけし先生の拳法マンガ。月間少年マガジンに掲載されていて、連載期間は30年を超えます。「鉄拳チンミ」が全35巻、「新鉄拳チンミ」が全13巻で、「鉄拳チンミLegends」が現在19巻まで出ています。
チンミが大陸一の規模を誇る大林寺で厳しい修業を積み、強くなり、数々の敵と戦って活躍するという王道なマンガ。なんですが、最近は強くなりすぎてしまって、重大な任務を背負ってハンデがあるなか戦うという展開の繰り返しになってしまっていました。
ところが、ここ数年でLegendsで12巻あたりから始まった暗殺集団との戦いになって、久しぶりに(失礼!)面白い展開を見せています。
あらすじと感想(ネタバレ注意)
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国家功労賞を授与されたチンミを倒して名を上げようと、数々の武道家たちが大林寺を訪れて弟子にすら手も足も出ず返り討ちにされる中、チンミの命を暗殺者がいると噂になります。一流暗殺者、仕込み杖のトウザを退け、チンミ暗殺を依頼した人物の足取りを追い、謎の女セイチュウの名にたどり着きますが、そこからの足取りはつかめません。
都に招かれたチンミは、都までのチンミ護衛の任務につく精鋭のセキト隊と合流。都に行くまでの道中で、これまで送り込まれた暗殺者の比ではない凄腕の暗殺集団が襲いかかってきます。天然の要害「天指峰」に囲まれた隠れ里にあり、古より闇の仕事を請け負ってきた暗殺集団にチンミ暗殺の密命が下っていました。
自分一人が狙いで、その場でチンミを殺すのではなく捕らえようとしていることに気づいたチンミは、相手の真の狙いや依頼者を調べるために自ら暗殺集団に捕まります。連れて行かれた隠れ里で情報を集めるチンミ。チンミは里で行われる「人狩り」というイベントの獲物として攫われたことがわかります。さらわれたチンミを追う国軍と大林寺、さらにシーファンとタンタンも加わります。
暗殺集団の集会に忍び込んだチンミは、里を束ねる御館様の目的の一端を知ることになります。歴史の裏で闇の仕事を担ってきた暗殺集団でしたが、自ら里を壊滅させて分散・流動型の組織に形態を変えて恐怖の象徴となることを考えていました。平和になりすぎた国ではその力を発揮できないとあって、権力の中枢ともその思いを「古の約定」により共有。チンミを追ってきた国軍を壊滅させて、自分たちの力を知らしめようとしていました。すでに国軍先遣隊の3部隊が、手も足も出ず皆殺しに。
チンミ・シーファン・タンタンという3人の最強クラスの達人と、暗殺集団の精鋭がぶつかるときが近いですね。かつてボル将軍の配下で、1対1でチンミを追い詰めるほどの実力を誇った憲兵隊長のソウビは、この里の出身者。身内を皆殺しにして里を出たという過去がありました。万全のチンミですら冷や汗をかくレベルの強さだったソウビクラスの強さを持つ猛者とぶつかるのは確実。誰と誰がぶつかるのか、今から楽しみです。主要キャラっぽく登場した人物だけでも、
樹のスイセイ
水のカホウ
草のヒョウカン
岩のサンヨウ
土のキコク
と盛りだくさん。次期頭領と目されていたスイセイはおそらくチンミと戦うでしょう。見た目はサンヨウが強そう。女のカホウは、水中戦で大林寺の誰かと戦いそうですね。地味に御館様も怪しい丸薬で、体を強化していたような描写がありました。
これ以上ないくらい強い敵が出てきて、熱くなってきた鉄拳チンミ。私が物心ついた頃からずっと読んでいるマンガでしたが、ここに来て目が離せなくなっています。
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