イザベラ・バードはイギリスの女性旅行家。明治時代の東北地方や北海道、関西などを旅行し、その旅行記を残しています。
「不思議の国のバード」は「イザベラ・バードの日本紀行」を原作にしたマンガ。厳密なコミカライズというわけではありません。マンガの中のバードは若い女性ですが、日本を旅したのはアラフィフの時ですからね。
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この旅行記、ネトウヨ界隈で盛り上がったことで有名ですね。日本についてはべた褒めの記述が多く、韓国・ソウルをこき下ろしているんですが、「韓国で出版されたときに日本をこき下ろして、韓国べた褒めの内容になった」というネトウヨ発の嘘が駆け巡りました。100年前の内容でマウンティングしてどうするんだ、って話ですね。
1巻と2巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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1878年、横浜に降り立った冒険家のイザベラ・バード。日本を旅する前に最初に行ったのは、信頼できる通訳をさがすことでした。語学力に申し分のない通訳も、バードの目的地が蝦夷ヶ島(北海道)であることを聞くと、帰ってしまいます。そんな中、命がけのたびであろうと「仕事をするだけ」という態度で現れたのが伊藤鶴吉でした。航路でしたが、蝦夷に行ったこともあるということで経験としてはパーフェクト、採用を決めます。
通訳を見つけたバードが次にすることは、旅行免状の取得。当時の日本は、横浜や神戸、長崎などの特定のエリア以外に外国人が立ち入ることは原則禁じられていました。移動する場合も旅行免状に記されたルート以外だと逮捕されてしまいます。
前例のない旅とあって、半日もあれば発行されるはずの免状は数日待っても得られません。公使を信じて待つバードに、居留民たちは諦めろと言います。「一度決めたことはやり抜く」と公使夫人が言った通り、公使は前例のない旅の期間もルートも無制限の免状を取ってきます。バードのこれまでの旅のスペシャリストの経歴あってこそ得られた免状。ここからバードの長い旅が始まります。
日光から二荒山温泉を通って、会津道を歩んでいくバード。当時の日本の文化や風習がきめ細やかに描かれます。ヨーロッパから来たバードにとって驚きだったのはやっぱり、温泉・風呂でした。日本の温泉の多さは際立っていますからね。
不衛生な環境で苦しむ人たちに、衛生環境の大切さを説くシーンもあり、疎まれるのではなく日本に溶け込んで旅を続けようとするバード。盛り上がるシーンが特にあるわけではありませんが、丁寧に描かれていて良質なマンガです。みんなにおススメ。
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