「夢の雫、黄金の鳥籠」は姉系プチコミックに連載されている篠原千絵先生のマンガ。オスマン帝国皇帝、スレイマン1世の后・ヒュッレムの生涯を描きます。
権謀術数が渦巻く後宮が舞台。後宮にいる女たちの序列は、ひとえに皇帝の寵愛を受けられるか否かにかかっています。無事に皇子を産み、第2夫人となったヒュッレム。これで、イブラヒムへの下賜ルートが難しくなりました。
イブラヒムがロードス島での勝利への貢献を認められて大宰相になると、エジプト総督となったアフメットが反乱を起こします。
8巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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スレイマンの妹であるハディージェと恋仲のアルヴィーゼでしたが、スレイマンはそのことを知ってか知らずか、イブラヒムにハディージェを娶るよう言い渡します。
逆らえない王の命令で引き裂かれるハディージェとアルヴィーゼの愛と、アルヴィーゼとイブラヒムの友情。愛する人と結ばれない気持ちを共有するヒュッレムとハディージェでしたが、ハディージェはお腹にアルヴィーゼの子供を宿しているという衝撃的告白。
アルヴィーゼはハディージェを連れて逃げることを決意し、イブラヒムとヒュッレムは陰ながら支援しますが、すべてスレイマンの掌の上。ハディージェは連れ戻され、アルヴィーゼは行方が知れなくなります。おそらく殺されたのでしょう。
イブラヒムとハディージェの結婚式の日、ハディージェに呼び出されたヒュッレムは彼女の悲痛な叫びを聞きます。
「わたしはあなたにひどいことをしようとしている」
「あなたの気持ちを知っているのにイブラヒムと結婚しようとしている」
「・・・それでも、わたしはまだあなたを友達だと思っていてもいいのかしら?」
愛する人と結ばれない同じ思いを持つハディージェにヒュッレムが憎しみなど抱けるはずもなく、同じ心の痛みを持つ者同士慰め合います。
エジプトで反乱を起こしたアフメットの討伐には、スレイマンの命令で大宰相となったイブラヒムが向かうこととなります。各キャラクターの心の動きを追うシーンが増えて、物語の進みとしてはゆったりとしたペースになりましたね。
気になったので、歴史上でイブラヒムはヒュッレムがどのような人生を歩むのか調べて見ました。ある意味、最高のネタバレかも知れませんが書いていきます。
このあとの歴史上の展開
・ヒュッレムは、このあとスレイマンの寵愛を受け続けて5人の子をもうけることになります。残念ながら、自分が生んだ皇子が皇帝になるのを見届ける前に亡くなることになります。
・イブラヒムは大宰相になってから13年後、スレイマンの反感を買って処刑されることになります。晩年、スレイマンはイブラヒムを処刑してしまったことを悔やむ言葉を残します。
・スレイマンは、このあとも権力を維持してオスマン帝国は栄華を極めます。しかし、血みどろの後継争いを見ることになります。反乱を起こしたムスタファを自らの命令で殺すことになり、愛するヒュッレムの皇子たちは後継争いで殺し合います。最終的にスレイマンの後を継いで皇帝になったのは、ヒュッレムが生んだ皇子セリム2世。セリム2世は、兄弟で最も臆病だったから結果として生き残り、皇帝になりました。しかし、政治的な手腕は残念なもので、オスマン帝国はここから合議制のシステムを取っていくことになります。
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