1987年に始まって2002年に完結した「3×3EYES」の続編。「幻獣の森の遭難者」は、全4巻で完結となりました。
物語の中心にいるのは、かつてベナレスに仕えていた時間加速と合成の力を持つ魔獣ノルマンテ、ノルマルテを利用して不死身の力を手にいれんとするゲゲネイズ。
時間加速・不死身・すべての獣魔術を無効化するエキドナとの契約という3つの武器を手にしたゲゲネイズ。面白そうだからという理由で地球に降り立ったカーリーですが、案の定ゲゲネイズに操られたウコバクに殺されそうになります。始まるベナレスとゲゲネイズの戦い。
ベナレスは、自分の精をエキドナに供給して分裂を促します。エキドナの群れに覆い尽くされていく地上。「永遠にこの地は闇に覆い尽くされればよい」と言い放つベナレス。
4巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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ベナレスに寿命を延ばしてもらわなければノルマルテは死に、ノルマルテの合成の術が切れれば、ミチルが死んでしまうという状況。
ノルマルテは、ミチルをだましていたことを詫びつつ、千夏・べっちゃん・さゆきんの3人をベナレスに飛び掛からせます。ベナレスの攻撃で霧散する3人。その隙に、ノルマルテは時間加速を使って、八雲とともに離脱します。
自分と一緒にいた友人3人が死んだことにうろたえるミチルですが、3人はノルマルテの分身でした。本物の3人は、サンハーラの後で、退院して日常生活に戻っていたことを三只眼から教えられます。
「すべては儂の過失」と八雲に話す三只眼。「あやまちのない人生なんてない」と返す八雲。八雲がベナレスに向かって行ったあと、三只眼がカーリーに真実を語ります。
ゲゲネイズにエキドナの召喚方法を教えたのは三只眼でした。何を持ち掛けられたのかははっきりしませんが、八雲を取り戻すための方策でしょう。ゲゲネイズがエキドナとノルマルテの合成の力を使って、八雲の力を奪いベナレスと戦う算段を付けた、というのが今回の出来事につながっていました。
ハーンによるエキドナ召喚の解除と、ノルマルテのすべての合成解除を同時に行い、さらに三只眼を窮地に追い込んで、八雲の無限の力でベナレスに一矢を報います。ミチルに合成されていたのは、八雲の一部でした。不死身の力を死にゆくミチルの心臓に合成していました。
合成を解除すればミチルは死にますが、解除してすぐに石化させて、病院へ運ぼうとします。寿命が来て体が崩れていくノルマルテでしたが、八雲とベナレスの無限の力を持つ戦いで、ベナレスは一応の満足を得て、ノルマルテを九頭龍将にする件を引き受けます。
さらにベナレスは、
ゲゲネイズにも九頭龍将になること
八雲が強くなるために、ベナレスのもとで修業すること
を持ち掛けます。今回の戦いはすべて、八雲が力を取り戻すためということで、はるか高みからすべてを理解して参加してきたベナレス。懐が深すぎる。
エピローグでは、iPS細胞移植手術により命が助かったミチルの姿がありました。ぽっかりと何かを失くしたようと語る八雲が戻ってきて、パイから「おかえり」と声をかけられるシーン。
巻末の予告で、月の裏側で起こった爆発を観測するシーンとともに、Next「鬼籍の闇の契約者(仮)」To Be Continuedという予告が入っていました。どうやら3x3EYESの物語はまだまだ続くようです。
後書きによると、もっとコンパクトな話で納めるつもりだったようですが、やはりベナレス登場まで到達してしまい、そこから次の話につながることになったようです。何がすごいって、今作はeヤングマガジンで全部無料で読めたんですよね。おそらく次作も同様になるでしょう。ちょっとでも還元したくコミックスを買いましたけど、このビジネスモデルは他の漫画家には厳しい気がするんですよね。いまは過渡期なんでしょうけど、面白いマンガを取りこぼすことなくうまくお金を落とせるようになる未来を願ってやみません。
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