テーマは美大受験。今まで余り見たことのないテーマですね。何でもそつなく人よりうまくこなせる高校生が、美大受験の世界に飛び込みます。
勉強以外に、音楽やスポーツという進学の道があるのは知っていてある程度想像できますが、芸術は全然わからない世界ですね。美大受験ウンチクがためになるようなならないような。
1巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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高校2年生の矢口八虎は、朝帰りがたびたびあるほど遊んでばかりの不良ながら成績は超優秀でした。美術部にタバコを忘れ、取りに来たときに凄まじい画力で描かれた油絵を目にします。
その絵を描いたのは美術部の3年生の先輩。「すごい才能ですね」と声をかけて、「才能なんかない、絵のこと考えてる時間が他の人より多いだけ」「手放しに才能って言われるとなにもやってないって言われてるみたい」と返され反省する八虎。
美術で描いた自分の絵が伝わったことに快感を覚えた八虎は、決めあぐねていた進路を美大受験にすることを決断。家計のため、私大進学はできないことから、日本で最も受験倍率の高い東京芸術大学への現役での進学を目指すことになります。
東京芸術大学平成28年度の油画専攻の倍率は募集定員55人に対して1058人、応募の約20倍、そのうち現役生は16人で高校生が受かる倍率は実質60倍という超狭き門でした。二浪三浪は当たり前。入試まで残り650日となり、ひたすらデッサンし続ける日々が始まります。
八虎の母は、進路について息子から直接話されず、第1希望から第3希望まですべて東京芸術大学で埋まった進路希望調査を見てしまい悶々としていました。しかし、八虎の部屋に入り、凄まじい速さで上達していることがわかる日付つきの絵を見て考えを改めます。
美術部の顧問でも驚く八虎の能力は、妥協すること無く努力して1枚1枚描ききること。特別な才能ではなく、すべての絵を完成させるという強い意志で上達していきます。
そんな八虎の鼻っ柱をへし折ったのは、予備校の冬期講習。鉛筆の持ち方からしてまったくわかっていない雰囲気で、初めて描くという石膏像で、凄まじい画力を見せつける高橋世田介という天才が登場します。しかも、勉強でも全国模試に7位に入るという完璧っぷり。
ストーリーは一直線に熱いですが、一つ一つの絵を完成させるまでに、さまざまなウンチクが登場するので細かいところまで繰り返し読ませる面白さがあります。
- 作者: 山口つばさ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/12/22
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2巻のあらすじと感想
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