押見修造先生の最新作。異常に息子を偏愛する母の恐ろしさが描かれています。あえて、柔らかな雰囲気で、淡々と日常が描かれるんですが、感じるのはホラー的な怖さ。
1巻と2巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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主人公の長部静一は中学2年生。母は、毎朝起きると優しく朝ごはんに肉まんとあんまんのどちらがいいのかを尋ねます。
ごくごく普通の中学生として描かれる静一の母親は、一見普通に見えますが、読者が異常を感じずにはいられない描写が重ねられていきます。幼稚園のときには毎日教室の後ろで立って静一を見守り、中学生に対して過剰ではないかと思われるスキンシップ。ほんのわずかな変化も見逃さない徹底的な息子の観察ぶり。
1巻の最後に親戚みんなで夏休みに山登り旅行に行ったときに、急展開となります。毎週のように家に遊びに来ていたいとこのしげるを、静一の目の前で突き落とします。一瞬笑顔を見せた後、取り乱す母。
しげるは一命をとりとめており、頭蓋骨の陥没骨折で急性硬膜下血腫で意識不明の寝たきり状態に。母をかばって、しげるが足を滑らせて落ちたという証言に静一は同調します。家に帰り、何事もなかったかのように「肉まんとあんまんどっちがいい?」と訪ねてくる母。
2巻の最後、静一が片思いしていた吹石が、静一にラブレターを渡します。両思いだった2人。しかし、その手紙を見つけた母は、静一に優しく「捨てていい?」と語りかけ、2人で手紙を破ることを強要します。声にならない嗚咽を上げながら、「ママどこにも行かないで」と泣く静一。
母のマインドコントロール下で揺れ動く息子の描写が続きますが、とにかく母は恐しって感じですね。張り付いたかのような笑顔がどこで崩れるのか気になるところ。「ぼくは麻理のなか」に出てきた麻里の母親とはまた違う支配欲のようですね。
- 作者: 押見修造
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