スピンオフのシンドバッドの冒険はまだ続いていますが、本編のマギは完結。新たな黒幕が登場する、といった展開もなくハッピーエンドなんですが、しりすぼみな終わり方になってしまいました。残念。
聖宮でのクライマックス
シンドバッドが世界を自分の思うままに導くために「聖宮」へ。そこに居たのは、世界を監視し続ける余り狂ってしまったウーゴでした。
ウーゴから聖宮の支配権を奪い、世界をルフに還す魔法を発動。魔法を止めるために、堕天したことのあるアリババ・白龍・アラジン・ジュダル。
世界が存在する次元は幾重にも重なった入れ子構造になっており、他の次元へ行くには膨大なエネルギーが必要でした。イル・イラーのような形で他の次元に干渉するのは至難の業。
とりあえず、他の世界はどうするのかという話題は置いておいて、アリババとシンドバッドの主張がぶつかり合う形になりました。シンドバッドは、最も優れた王が世界を導くべきという考え方で、アリババはみんなで意見をぶつけ合って選択していけばいいという考え方。
この時点で、ややショボいスケールの争いになったなという印象は否めません。
ラスボスになりきれなかったシンドバッド
聖宮では、それぞれの金属器を手に入れた頃の姿に分裂したシンドバッドが迎え撃ちましたが、割りとアッサリと翻意してアリババの主張をのみます。次元の間に小さい穴を開けて交流するくらいならできるんじゃない?という軽いノリ。金属器ごとにわかれていたシンドバッドを納得させて、すべてをルフに還す魔法を止めようとしますが、ダビデが聖宮の支配権を奪って魔法を止めさせません。
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小物臭をさせながらラスボスに収まってしまったダビデ
ソロモン編のダビデは、何を考えているかわからず、アルバも底知れない感じがあったんですが、シンドバッドの後だと小物感がありあり。地上に向かったアリババと、聖宮でダビデと戦うシンドバッドという構図になります。
ダビデを倒しても魔法は止まらず、シンドバッドから「金属器の力を1つに束ねて迷宮の塔を封印するしか無い」「力を束ねるには15人の金属器使いのうち14人が死ぬことになる」という取ってつけたような設定が飛び出してきます。世界を統べる王としてアリババにその役目をたくそうとしますが、アリババの答えはノー。
ユナン・ティトス・紅炎といった強力な力を持つ主要キャラクターが出てきて、全員の力で塔を吹き飛ばします。ダビデとともにシンドバッドが消え、マギシステムも金属器も世界から姿を消します。
マギシステムを破壊して「俺たちの冒険はこれからだ!」エンドへ
世界から魔法が失われ、地形がめちゃくちゃになった後、暗黒大陸との行き来も可能になります。復興のために力を合わせるという前向きな終わり方ですが、結局神の序列や他の次元からの干渉といった設定、1人の王が戦争のない世界を統治するべきか、合議制でぶつかりながら世界を作るべきかといった宗教論争はぜーんぶ置き去りで終わってしまいました。
サンデー連載の少年漫画にそこまで求めても無駄かもしれませんが、消化不良な感じがしますね。
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