アポカリプスの砦で、感染者が次々とゾンビになっていく恐ろしい世界を描いたイナベカズ・蔵石ユウ先生がタッグを組んで次に送り出したのは、人類が家畜となる恐ろしい世界を描く衝撃的なマンガでした。
あらすじもかなりグロいので注意です。
1巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
年々温暖化が進み、地上で人間が住める場所が100年前の1000分の1にまで激減した未来。ニュースに踊るのは「最高気温記録更新」「異常気象に関する研究に進展?」「全国各地で集団失踪事件が多発」といった文字。
主人公の伊江は、親友で気象学者を目指すカズと将来のことについて話しながらバスに乗っていました。気付くと、意識を失って倒れている乗客ばかり。異変に気付いて運転席に近づくと運転手はガスマスクを装着していました。そのまま意識を失って目が覚めると、眠っている人たちを荷台に乗せたまま人間を選別する工場の仲でした。
太っている人間だけが寄り分けられ、冷凍されて電動ノコギリで解体されていく衝撃的な光景を目にします。そこで働くおっさんに「II型だな」と言い渡され、地下室に放り込まれます。
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その部屋の中の光景も地獄絵図。天井から水の出る管が降りてきていて、異常なまでに太った人間がその管に吸い付いていました。カズは、管から出てくる水を飲んで取り付かれたような目になり「スッゲェうめーよコレ」と勧めてきます。
伊江が、おいしそうな甘い匂いのする水を口にしようとしたときに止めたのは、山引とナツネという2人の男。この極限状況で、水を飲まずに耐えていました。一口でも飲めば、一生管に吸い付いて太らせられるのは明らかだということを伊江に説明します。
察しの悪い伊江も、ここは「人間の肥育室」だということを理解し始めたところで、巨大な芋虫が部屋に入ってきて太った人間を喰い始めます。喰い終わった後の、飛び散った死体を清掃しに来た作業員を襲って脱出する3人+頭のおかしくなったカズ。ここで唐突に、伊江が瞬間記憶能力により、建物内部をすべて記憶しているという設定が登場します。
作業員の全身を覆える防護服を着て、他の作業員に紛れ込んだ伊江たちは、肥育される人間よりもさらに悲惨な「生殖種」と呼ばれる人たちを目撃することになります。24時間催淫剤と排卵誘発剤を打たれ、18歳で20人以上産まされたという頭と歯がボロボロになった女。興奮剤を打たれ、死ぬまで交尾のことしか考えられなくなった男。
山引は、一口飲むだけで強烈に依存させる高カロリー薬液や、人間を性欲の獣に変える薬など一企業では考えられない科学力だと言います。
次に進んだ部屋では、巨大な蛹?が並べられているのを目撃します。その部屋を覆うようにモニターがあり、世界中のあらゆる言語が表示されていました。4人が隠れていると作業員が入ってきて、蛹の固さの調査や清掃を始めます。そのときに、蛹から中の何かが孵り、非常ベルが鳴り響きます。出てきたのは人語を解する巨大なカマキリのような生物。といっても腕はカマではなく爪で、頭部は縦に裂けた口のバケモノですが。逃げ遅れた作業員は体の皮を引っぺがされて死亡。
1巻はここまでで終わりですが、とにかくグロいシーンの連続です。巨大な芋虫とカマキリの正体や、人間を肥育して餌にしているのは誰なのか、その肥育作業すら人間が行っているというところがえげつなさすぎますね。1巻だけで、アポカリプスの砦を越えそうな予感がヒシヒシします。
アニメ化とか完全に眼中になく、そういうのが好きな人たちをズバリ狙ったマンガですよね。私は好きですが、他人にはお勧めしません。
食糧人類-Starving Anonymous-(1) (ヤンマガKCスペシャル)
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