金田一少年の事件簿スピンオフ。「明智警部の事件簿」や「高遠少年の事件簿」とはまったく趣が異なります。
焦点が当たっているのは、これまでに登場した事件の犯人たち。実際に犯人視点で考えると大掛かりすぎて、とてもじゃないけどやってられないトリックばかりだったことがギャグとして描かれます。当時の金田一少年の絵柄を再現しており、小学生時代に夢中になって呼んでいた私には、すべてのギャグがシュールに刺さりました。
1巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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オペラ座館殺人事件の犯人は有森。オペラ座の怪人になぞらえた殺人でしたが、犯人視点で見ると無理ゲーが満載。包帯ぐるぐる巻きでチェックインして部屋を荒らし、タイマーでセットした悲鳴の後にベルを鳴らしてワイヤーを切って舞台の緞帳を上げるという細やかな芸、さらに窓の周囲にワイヤーを巡らせるとび職っぷり。そこまでやっても、何故か孤島に休暇中の刑事と名探偵の孫が居合わせるという不運で撃沈しました。
学園七不思議の犯人は的場。最初の鏡を使ったトリックが秀逸でしたが、犯人視点で見ると、金田一にトリックを再現(この時点で犯人は確定)された上に長々と推理を聞かされて、懺悔させられるという辱めを受けていました。
蝋人形城殺人事件は、最初から秀逸。本格的な蝋人形の制作には1体数か月~2年はかかる蝋人形を10人分地道に作成するところから始まります。煙突の故障でトリックは破綻し、蝋人形をかぶっている間に汗だくに。
秘宝島はあらためてありえないトリック。犯人が女装した男で、さらに金田一を惚れさせていましたからね。トイレの中蓋を上げておいたために男とバレたってのは切なすぎました。
1巻だけで終わる予定が、人気沸騰で続いています。2巻は、タロット山荘・悲恋湖伝説・雪夜叉伝説の予告。私のような、初期の金田一にハマって、金田一少年といえば堂本剛な世代が狙い撃ちされているようです。
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(1) (週刊少年マガジンコミックス)
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2巻のあらすじと感想
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