マイホームヒーロー / 山川直輝 / 朝基まさし(1)(2)、家族を守るため、殺人の隠滅に知恵を巡らせる推理小説マニアの父

1巻と2巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
3巻のあらすじと感想

鳥栖哲雄47歳、おもちゃメーカー営業職で一人娘の零花を溺愛するパパが主人公。これといった特技もなく、趣味で推理小説を読んだり書いて投稿したりする日々でしたが、ひょんなことをきっかけに家族を守るための戦いに身を投じる事になります。

単純にマンガとして完成度が高くて面白いんですが、ストーリーにもグッと来るのは私が娘を持つ父になったこともあるかもしれません。

1巻と2巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

反抗期のまま大学生になって一人暮らしを始めた零花に久しぶりに会うと、顔の片側に殴られた跡がありました。娘を心配して下宿先を嗅ぎ回り、ヤクザとつながりのある麻取延人(マトリのぶと)という男と付き合っていることを知ります。
延人がこれまでに彼女を2人殴り殺して、そのことを揉み消して来たことを知る哲雄。娘の部屋で、娘への殺意を露わにする延人と出くわし、殴り殺してしまいます。死体をどうしようかと思案しているところに妻の歌仙が到着。夫婦で娘を護るために秘密を共有することに。
妻子を巻き込まないために、一人で死体を処理して無かったことにしようとする哲雄でしたが、歌仙は強力を申し出ます。
ここから、延人の行方を追うヤクザと哲雄との戦いが始まります。哲雄の唯一の武器は、推理小説を読みまくって蓄えた知識。
延人の父親は、巧みな話術と財力でヤクザすらも操る詐欺師の義辰。これまでの延人の悪行を揉み消してきたのも義辰で、息子を心配する偏愛ぶりを見せ、ヤクザに息子の行方を追うよう指示します。
死体を処理して口裏も合わせた夫婦を唯一人怪しむヤクザの恭一に、哲雄は自分の疑いを晴らすために一緒に延人を探そうと持ちかけます。恭一も単独プレイを咎められ、ヤクザ組織から追われるようになり、車に乗っているところを銃で撃たれて絶体絶命のピンチに。そこに、恭一の上司である窪がやってきます。

2巻まででヒリヒリする展開の連続で面白いんですが、3巻予告にある義辰と哲雄の対峙がまた楽しみです。一児の父で、子供を誰よりも大切に思っているという点は共通していますが、性格ややっていることはまるで違います。

推理小説マニアと天才詐欺師、というだけでちょっとワクワクして続きを読みたいと思わせますね。