つぐもも / 浜田よしかづ(18)、つづら殿の覇権をかけた九殿武闘会、狐面で皇も参戦

浜田よしかづ先生が描くバトル漫画「つぐもも」。古くなったものに宿る神様のことを「つくもがみ」といいますけど、「つぐもも」は長い年月を経て人間の姿になった「つくもがみ」のこと。「あまそぎ」は、短期間で人間の邪な願いを経てつくもがみとなった物のこと。

記憶を取り戻したかずやは、修行するためにつづら殿を訪れます。しかし、つづら殿は副頭首の斑井が実権を握っており、かずやは忌み子として拘束されます。

18巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

かずやたちを助けに来たのは笛の付喪神の響華。力を失っていましたが、12巻でかずやに預けられていたのが伏線となって18巻で力を取り戻して復活しました。

響華の協力で牢を抜けた後、斑井の配下ですが実は親付喪神派だった田鎖たかのという女性のすそはらいの手引きで、他のすそはらいに見つかりそうになったところを匿われ、協力して、捕らわれていた親付喪神派すなわち織小花に親しい部下たちを解放します。

頭数がそろった両者は、頭首と副頭首という立場で決着をつけるために九殿武闘会というつづら殿の上位9人のすそはらいを選出する大会を開催することに。斑井が実権を握っているように見えて、大多数は両派に属していないので、ここで実力を見せなければ誰もついてきません。

斑井は、そのままぶつかれば名ばかり上位なので、部下たちが負けるということで、織小花が風呂に入って油断しているときに自白効果のある香を焚く香炉の付喪神の手を借りて「傀儡帯」というものの場所を聞き出します。

現在のつづら殿上位9人に挑戦する布陣を考える織小花。1位に挑むのはもちろんかずやですが、二位には謎の狐面の女性が挑むことになります。狐面はどうみても皇すなおっぽいですが、かずやは正体に気付いていない様子。

いかに記憶を取り戻したかずやがパワーアップしているとはいえ、付喪神を持たない状態で斑井と戦えば大幅に不利だということで、紆余曲折はありましたが響華がかずやを所有者とすることを受け入れます。

あらすじにすると短く、九殿武闘会という一見遠回りな展開になってしまいました。18巻は、これまでの単行本の中でも最多のサービスシーンが盛り込まれています。とくにかずやが付喪神である響華の力を取り戻すためのスキンシップが激しめ。

作者によると、サービスシーンは難易度が高くて作画時間がかかりスケジュールを圧迫→ストレスがたまる→サービスシーンを描きたくなるというエロ・スパイラルに陥っていたそうです。

8～10巻あたりでアニメ化の話が出て11～12巻あたりで頓挫、物語をたたみにかかるも過去編が長く続いてしまい17巻まで来たところでアニメ化が決まったとのこと。読者からすると、やや長く感じる過去編でしたがアニメ化につながったのが本当に喜ばしいですね。18巻での回り道展開はアニメ化を受けてかもしれません。奏歌はたった一人のラスボスで一戦で終わってしまうので、他の敵キャラを用意するとなるとつづら殿くらいしかなかったんでしょう。