投票げぇむあなたに黒き一票を / ごぉ / CHIHIRO / たつひこ(1)(2)(3)、ビリになったら即死亡、惨劇のクラス内人気投票ゲーム

月刊ビッグガンガンに連載していたマンガ「投票げぇむ」。王様ゲームと同じ系統で、2年A組で人気者投票を行い、ビリになった人が死んでいくという理不尽なゲームが開催されます。

キャラクター紹介

キャラ名	説明
鷹山修介	主人公、1年前に転校してきた
大月若葉	ヒロイン、転校してきた鷹山修介と同じクラスだった
山村麻里那	春になってから転校してきた「投票げぇむ」を知る女子

あらすじと感想(ネタバレ注意)

クラス内の親睦を深めるためにムードメーカーの佐藤和人が、web上で自ら投票プログラムを組んで今回の人気投票を企画。

１. エントリーされた女子生徒5人に男子が携帯で投票。このゲームで0票でビリとなった岩田ひかりが自殺。

最初の投票が終わってから、サイトが乗っ取られ2回目の投票が開始。

２. エントリーされた男子生徒5人に女子が携帯で投票。0票でビリとなった佐藤和人・中村忠則が屋上から転落と階段からの落下という形で死亡。

のろいとでも言うべき力が働いていることに気づいた生徒たち、デス・ゲームが本格的に始まります。

３. エントリーされた女子生徒5人に男子が携帯で投票。死んだのは1票でビリになった女子ではなく、投票しなかった6人の男子。

クラスメイトが次々死ぬ異常事態にも関わらず、学校側は普段通り授業を続けようとします。「投票管理人」と名のる人物から脅迫電話で授業を続けるよう脅しがあったことがわかります。

４. エントリーされた男子生徒5人に女子が携帯で投票。同率最下位で2票ずつ獲得した男子と、その男子に投票した女子が死亡。

この第4ゲームまでで、恐ろしい投票げぇむのルールが明らかになります。

交互にエントリーされた男女5人の人気投票。
誰かが投票を棄権した場合は投票結果は無効となり、棄権した生徒が死亡する。
ビリになった生徒と、ビリの生徒に投票した生徒も死亡する。ビリが複数いた場合も同様。

投票管理人をつきとめて、このゲームを止めようとする鷹山たちですが、投票方法が過激になってゲームがどんどん進んでいきます。転校してから登校してきていなかった山村麻里那が登場し、冷静にゲームを勝ち抜いていきます。山村麻里那を管理人ではないかと疑う生徒たち。

投票方法は、サイトが閉鎖されてから「候補者に制服のリボンを手渡す」→「候補者に100万円を手渡す」→「候補者に性行為を行う」→「候補者に自分の愛する人の名前を教える」→「候補者の眼球を手に入れる」→「候補者にクラスメイトの首を切って手渡す」とエスカレートしていきます。

最後に明らかになる黒幕の投票管理人は大月若葉。自分だけがルールを知っていること、管理人として投票方法や候補者を自由に設定できる権利を行使して自分が望むように鷹山修介と結ばれるようにゲームを進めていました。最下位の男子に投票したときは自分の携帯が入れ替わっていることに気づいていて、自分から生贄になると言い出した時は「棄権」扱いになった男子のメールに残されていたクラスメイトの漢字だけがすべて微妙に違っていました。

鷹山修介と山村麻里那にカマをかけられて見破られた大月若葉は自分の首を切って投票できないように自ら首を切って自殺。投票を成立させるには、鷹山が山村の首を切るしかないという状況になりますが、自分が鷹山の子を妊娠していることに気づいた山村に殺されて投票は不成立となり、山村とお腹の子だけが勝ち残ります。

後半で話をふくらませようといろいろな伏線を盛り込んでくるんですが、ややこしくて消化不良だった感があります。投票ゲームの最後のルールである「参加者に紛れ込んでいる投票管理人を殺せばゲームは終了、生き残った人が投票ゲームの管理人になる」というのが明らかになっていればまた違った展開があったかも知れません。

管理人という名のゲームの勝者は順に鷹山修介(本編の鷹山修介と山村麻里那の父親)→山村麻里那(本編の鷹山修介と山村麻里那の母親)→大月若葉→山村麻里那(とお腹の子)となっているんですが、鷹山修介と山村麻里那が男女の双子でゲームの投票ルールから親子で同じ名前だったってのもさらっと出てきてややこしさを増してしまいました。冒頭のシーンが父親と母親の鷹山修介と山村麻里那のシーンで、最後には同じように妊娠した山村麻里那によって鷹山修介が殺されているところまできっちり話は出来上がっているんですが。面白いんですが、ちょっと惜しい作品でしたね。