読書
三浦しをん先生のデビュー作、テーマは就活。 本好きで漫画好きでもある作者が、出版社への就職を目指して活動していたことが、作品内に反映されていますね。その就職活動中に、早川書房の編集者にその才能を見出されたことが、作家になるきっかけでした。 …
湊かなえ先生のイヤミス(嫌な気持ちになるミステリー)作品「白ゆき姫殺人事件」。2012年に発表され、2014年には映画化されました。テーマはマスコミの報道被害や、インターネットにおける根も葉もない噂の炎上被害です。 化粧品会社の美人OLが殺害され、週刊…
「オレたちバブル入行組」に続くドラマ半沢直樹シリーズの原作となる2作目。半沢直樹は、大阪支店から東京中央銀行営業第二部次長に栄転しています。 あらすじは、ドラマを見た方ならご存知でしょうし、Wikipediaの項目にも詳しいのであまり詳しくは述べませ…
あのドラマ「半沢直樹」の原作になった池井戸潤先生の、銀行を舞台にした小説。 あらすじや感想を書くのは本当に今更感がありますが、つい最近読みましたので。ドラマは、小説2作目の「オレたち花のバブル組」とで前後編で構成されていました。 「オレたちバ…
セシューズ・ハイシリーズ2作目の「都知事探偵・漆原翔太郎」。国会議員だった翔太郎が今度は、東京都知事として八面六臂の活躍を見せます。作者の天祢涼先生は私が最近注目している新進気鋭のミステリー作家です。 セシューズ・ハイシリーズと言っても2作し…
―株式投資の不滅の真理" title="ウォール街のランダム・ウォーカー ―株式投資の不滅の真理" class="asin"> 明けましておめでとうございます。このエントリをご覧になった皆様の2015年が良い年でありますように。 私は働き始めてから投資について勉強し、現在…
池井戸潤先生のドタバタSF政治コメディ。タイトルは「たみおう」と読みます。半沢直樹とは違い、舞台は銀行ではなく国会。 謎のテロ組織の陰謀で、内閣総理大臣とドラ息子の人格が入れ替わってしまったことから起こるドタバタ劇を面白おかしく描きます。銀行…
2013年になって発売された綾辻行人先生のAnother続編のエピソードS。夜見山北中学校で春から夏にかけて起こった凄惨な事件の数々が終わった後、渦中の人物であった見崎鳴(みさきめい)が、主人公の榊原恒一(さかきばらこういち)に「もう一人のサカキ」につい…
五十嵐大介先生の装画が目を引く辻村深月先生の長編小説「島はぼくらと」。瀬戸内海にある架空の島である冴島を舞台にした高校生4人の物語です。冴島は人口3000人ほどの離島、次に紹介する高校生4人は島出身の同級生です。島には他に同学年が いません。 地…
貫井徳郎先生の長編小説。ミステリーというよりは人情系のお話です。 登場人物紹介 毅志(たけし) 主人公。母と喫茶店を経営している。他に喫茶店の入っているビルのオーナー業をしている。柔道経験があり、一目見て覚えられるほど良いガタイ。皆藤と山南の探…
伊坂幸太郎先生の短編小説。生死を決定する死神の視点から語られる6人の個性的な人物たちの物語。死神の性格が面白くて、基本的にクールなんですが、少しずれていて比喩を理解できません。 千葉と名乗る死神。名前は何でもよくて、適当に地名を使っているだ…
ドラマ化、映画化、マンガ化、舞台化とメディアミックスしまくりの東方篤哉先生の出世作「謎解きはディナーのあとで」。この3で一応の完結を迎えます。主要な登場人物は3人、風祭、宝生、影山の3人だけ。 軽妙なやり取りで事件が解決されます。動機や後日談…
辻村深月先生の映画化もしている短編小説。タイトルにあるツナグとは、死者と一度だけあわせてくれる人のことを指します。使者と書いてツナグと読みます。 死者と会うためのルールは、 生きている人が死者に会うことができるのは一度だけ 一度生きている人に…
辻村深月先生の短篇集で2012年の直木賞受賞作、WOWOWで2013年にドラマ化もされました。すべての話で犯罪者と、その犯罪者とごく近い距離にいた女性が出てきます。犯罪者が身近にいた女性の心情に焦点が当てられているんですが、読んでいるとなんとも嫌な気分…
全10作の館シリーズ9作目「奇面館の殺人」を読みました。以前、綾辻行人先生の「びっくり館の殺人」を読んだときは館シリーズという名称でまとめられていることを知りませんでした。 館シリーズは、建築家である中村青司が建物で毎回必ず生産な殺人事件が起…
「PK」は伊坂幸太郎先生による3つの中編からなる小説。掲載されている「PK」「超人」「密使」の3つの話は、それぞれ独立して雑誌に掲載されていたものですが単行本化に当たり、ある程度の繋がりがもたらされています。 独特の構成で、目まぐるしく語り手が変…
「本日は大安なり」は辻村深月先生の小説。もともとは、4つの短編で掲載されたんですが、書籍化に当たり各編が時系列でつながるように再構成されています。優香主演でドラマ化もしています。 テーマは「結婚式」。舞台となるのはホテルアールマティという結…
久しぶりにビジネス書を手に取りました。最近頭が煮詰まってきているので、新しい視点を取り入れられればいいな、という気持ちで。「問題解決のためのファンクショナルアプローチ入門」は、身近な物事を取り上げて「誰のため?何のため?」かを考えてファン…
辻村深月先生の短編集ロードムービー。これまで読んだ辻村先生の作品の中では、私の評価は最低です。興味をひかれる内容ではありませんでした。 出てくるキャラクターや設定が過去作品とリンクしているという事ですが、そのリンクがわかる人にとっても本作は…
「名前探しの放課後」は辻村深月先生の長編小説。上下巻に別れており、私がこれまで読んだ辻村作品の中では最長。 高校を舞台にしており、タイムスリップを扱ってます。これまで読んだ作品とはまたまったく毛色が違いますね。今まで読んだのは「オーダーメイ…
実力も実績もあるイケメンリア充朝井リョウ先生の直木賞受賞作。戦後最年少だそうです。さらに、現在は就職して働きながら、通勤前後の時間で小説を執筆されているという専業作家も真っ青の安定人生を歩んでいます。 「何者」のテーマは就活ですね。SNS、特…
辻村深月先生の「光待つ場所へ」は短篇集、3つの異なる話からなります。暗い話ではなく、読んで気分を新たにする、といった感じでした。 最後の樹氷の街だけは、私はうまく読むことができませんでした。良い話でしたけど。加藤はいねさんの罪は重いです。 あ…
「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」は辻村深月先生の小説。オーダーメイド殺人クラブ、水底フェスタが面白かったので手に取りました。本作もなかなかに濃い女社会のめんどくささが描かれています。「30代・子無し・独身は負け犬」ということで一世を風靡した負け…
ビッグデータとそれを解析するデータサイエンティストなる人たちが持て囃される世の中になって、統計学の重要性を訴えかける書籍が増えてきました。誰かが、最強の学問である、とかいってましたね。 「ヤバい統計学」もそんな統計学の重要性について述べる一…
辻村深月先生の作品です。オーダーメイド殺人クラブでは、ややこしくて複雑な女子中学生のコミュニケーションを描いていました。本作「水底フェスタ」は、睦ツ代村という音楽フェスが観光の目玉になっている過疎地で、村長の息子を主人公とした気持ち悪いく…
オーダーメイド殺人クラブは辻村深月先生の小説です。中学2年生の小林アンの心情を描きます。アフタヌーンでコミカライズされています。 中学二年生の四月、小林アンは突然友人たちから無視される。同級生の昆虫系(イケてないキャラ物男子)、徳川の言葉を…
折れた竜骨は米澤穂信先生のミステリー作品。2012年に、週刊文春ミステリーベスト10で2位、このミステリーがすごい!で2位、本格ミステリ・ベスト10で1位、ミステリが読みたい!で1位という評価を得ています。 このミステリーがすごい! 2012年版作者: このミ…
米澤穂信先生の短編集です。推理小説の形をとっていますが、犯人または犯人に近い人の告白調で物語は進みます。小説新潮に連載されていたそうですが、最後だけは書き下ろし。短編それぞれは独立した話です。共通点は、とんでもない上流階級の人たちの話だと…
「Nのために」は湊かなえ先生のいわゆるイヤミスです。イヤな気持ちになるミステリーという新しいジャンル。この作品も、湊シリーズを踏襲しており、各登場人物の告白というか、各自の視点で見た事件の考察が語られます。 一流商社につとめるサラリーマンと…
もらい泣きは「小説すばる」誌上で連載されたコラムをまとめた冲方丁先生の短篇集です。「怒り」をエネルギーにして書くことは「泣き」よりも容易く共感を得やすいけれども、人の心を穏やかにする「泣き」は千差万別であり、ほんの些細なことであっても感動…