生物と無生物のあいだ、「今のところ、遺伝子組換えの食塩はない」なんて言わないために

あんまり時事問題を扱いたくはなかったんですけど、科学に対する無理解もココまで来るとあまりにひどいと感じたので。

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

本書は、分子生物学に関わる科学者やその功績を紹介しつつ「生命とは何か」という問いに迫る名著です。なによりも、生物に関するバックグラウンドがない方でも、本書を読むと遺伝子がどのように発見され、どんな働きをするのか理解できるはずです。福岡先生は、学会などで一度お会いすると忘れられない印象の方です。

「今のところ、遺伝子組換えの食塩はない」というのは、週刊文春の遺伝子組み換え食品批判記事における文春のコメントです。「遺伝子組み換え砂糖はない」というコメントもありました。私はメディアのレベルが民衆のレベル、という誰かの言葉をそのとおりだと思っています。それが嘘であれ、みんなが望むことを伝えるのがメディアとも。つまり、このような記事は、世間の理解度を示すものであり、世間が望んでいる記事であると言えます。

こんなエントリ書いても無駄かなあ、と思いつつも書いておきます。私の言葉よりも、科学の世界で適切に評価されている人の本を読んで理解する方が適切でしょう。

もうちょっと知識を深めたい方は、以下もどうぞ。

カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第1巻 細胞生物学 (ブルーバックス)

カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第2巻 分子遺伝学 (ブルーバックス)

カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第3巻 分子生物学 (ブルーバックス)

2巻が大切。さらに体系的な知識を得たい方はこちらでしょうか。分厚すぎて我が家の凶器です。

Essential細胞生物学〈DVD付〉原書第3版