王様たちのヴァイキング(2)(3)あらすじ、敵キャラであるシュレディンガーが出てきました

王様たちのヴァイキングは、天才ハッカーの是枝一希とエンジェル投資家の坂井大輔が世界征服を目指すマンガです。是枝は他人とコミュニケーションが取れずコンピュータにしか集中できないため、コンビニバイトも続かないとんがった性質の持ち主。坂井は、ITベンチャーに投資するエンジェル投資家ですが、お金がほしいわけではなく、どちらかというと有能な人材を自分のために動かしたい、といった感じの人物です。

1巻では、坂井と是枝がクラッキング被害に合っているゲーム会社を救いました。

王様たちのヴァイキング(1)、天才ハッカーとエンジェル投資家が「世界征服」を目指すマンガ - PHMPK.LOG

是枝の能力は特にクラッキング、セキュリティを破る方に特化しているため、ITセキュリティ関連の会社を立ち上げるようです。

2巻と3巻のあらすじ(ネタバレ注意)

2巻のあらすじ

是枝の理解者であり幼馴染のゴリラ君(加藤)を助けます。ゴリラ君の大学時代の先輩である高城が亡くなりました。その高城先輩はメインプログラマとして大手システム会社からの開発案件を請け負っていました。ただし、ソースコードの共有はなく彼のPCにしか成果物が残されていない、という状況になっていました。

ちょっと突っ込むと、高城先輩は過労死だし、ソースコードを共有してないし、この会社かなりダメな上に悪質ですね。被害者っぽく振舞ってて、ゴリラ君が助けようとしますけど、それはちょっと違うでしょ、と。GitなりMercurialなりSubversionなり使いましょうよ。進捗把握すらできないでしょうに。私もかなりキリのいいところまでできないと、PUSHしない方ですけど、ゼロはひどい。

是枝の「破れないパスワードなんてない」ってセリフがかっこいい。先輩が好きだった曲をヒントに、スパコンを使って膨大なパスワードの可能性を網羅的に検証します。スパコン用のプログラムを瞬時に組む是枝。無事パスワードを解析します。

そして次は本番。標的型ウイルスとその作成者との戦いです。町工場を標的にしたウイルスです。メールに添付したファイルからかと思いきや、USBメモリ経由で故意に工場に務める女の子に感染させた計画的な犯行です。1時間かけて、すべてのセキュリティホールを塞ぎ、解決します。

ヘッジホッグに帰ると、そちらでもwebサーバの脆弱性を突いて、SNS関連のベンチャーが攻撃を受けていました。是枝はウイルスの気持ち悪さから、町工場を攻撃した人物と同じであると見抜きます。

3巻のあらすじ

大胆不敵にも、ウイルス作成した犯人であるシュレディンガーは、直接是枝に会いに来ました。ルータのファームウェアを書き換えて、是枝の動向を随時監視できるようにします。SNSに攻撃を行なっていた奴らはシュレディンガーの裏切りを受け、全員が逮捕されます。

シュレディンガーが原田というセキュリティを売りにした新しいSNSを立ち上げたベンチャー社長の依頼を受けていました。状況証拠から原田が首謀者であると見ぬいた坂井は、投資ファンド側に原田が首謀者である可能性を告発して投資を撤回させて合法的に息の根を止めます。

シュレディンガーと1巻で出てきたヴァルキュリアはつながっていました。今度は2人で是枝に襲いかかってくるようです。

最後は坂井の過去回想編。元カノも出てきました。やはり、坂井自身も起業した時にエンジェル投資家に投資してもらった経験があったんですね。そして、大きくした会社を売却した時に、組んでいたエンジニア昴と別れることになり、その後昴は仕事がうまくいかず自殺していました。坂井がエンジニアを大事にする理由が見えます。

細かいことですけど、SNSを攻撃して逮捕された人たちのIDもこだわってて面白い。ナップサックや巡回セールスマン、グラフ彩色はともかくSATとは。充足可能性判定ですね。graspとか輪講でやったなあ。懐かしい。