「ひらけ駒!」は南Q太先生の将棋マンガです。将棋マンガも多いですけど、このマンガは将棋を頑張る子どもの「親」の気持ちに焦点を当てたマンガです。もちろん主役は将棋を頑張る子ども、菊池宝ですけど。キャッチコピーは「読むと元気に、成る」。
将棋の授業は本格的で面白かった!
昔の、名局といわれる棋譜を
段階ごとに検証するというもの。
長男もまじめな顔して参加。
自分の息子ながら
駒を指す姿はかっこよくって惚れ惚れする。
親冥利につきるね、ははは。
というか
そんな気持ちのウラで
わたしも勝手に盛り上がってしまった。
わたしもやってみたい、将棋。
そして将棋漫画を描いてみたい!
(夢かなー)
うみのさん描いてるけど。。。(作者ブログより)
主人公は小4なんですけど、息子さんを投影したものでしょうか。南先生も宝の母親もシングルマザーで頑張っています。作者ブログのこのエントリが好きです。ちなみに元夫である枡野浩一氏は離婚をネタにして何冊か本を書かれていますね。
残念ながら、2013年末から休載しています。元々連載は途切れがちではありました。タイトルに描いちゃってますけど、休載理由(と思われるもの)を最後に述べます。再開は難しいかもしれません。現在はまんがホームで「グランメゾンむらさきばし」を連載しています。
これまでのあらすじ
宝は小5でアマ三段になってから負けが続いて凹んでいましたが、調子を取り戻して四段に昇段したのを機に研修会へ入ることにします。
8巻のあらすじ(ネタバレ注意)
広告
宝は、将棋退会に出ますが、なかなか勝てません。負けても落ち込んではいないようです。次は勝てる、と予言めいたことを言います。季節は夏になってます。宝はとうとうテストで0点を取りました。将棋できる子は算数できるってことはないですね。授業中も将棋のことで頭がいっぱいです。
次は珍しく将棋パパの話です。息子の将棋教室について来ているパパ。ママたちの中で浮いています。実際に将棋を指しますが、宝と八枚落ちでも負けます。家に帰ってからも奥さんに負けて、ボコボコですね。おっさんのやる気に火が点いたようです。
宝に必至の解説をしてもらってますね。玉の腹に銀を打つ手筋も。こういう解説は珍しい。おっさんがやる気になる話ですね。43歳から見た息子は、75歳になった自分からみた「現在」の自分、ですか。75歳になって若い時にあれをやっていれば、と思えるその若い時が「今」なわけですね。
8巻の最後は、母親の葛藤です。「強くなる子は勝手に強くなります」と言われちゃってますね。子育ての極意でしょうけど親は無力です。
休載
休載の理由は、LPSAと日本将棋連盟の関係が深刻なまでに拗れ、LPSAからも離反者が出てガタガタになってしまったことと、将棋教室の先生である天野貴元先生が将棋を続けられる環境になくなったことです。
作中では、マイナビ女子オープンが出てくるなど女流棋士の戦いが熱く描かれていました。その女流棋士が所属するLPSAは2013年マイナビ女子オープンをボイコットするという行動に出ました。LPSAと日本将棋連盟は、私から見るとどちらにも非はあるように見えました。実際のところはわかりません。結果として、現在LPSAは崩壊寸前です。私の意見は、現在の女流棋士制度を廃止すべき、というものです。もちろん、将棋普及に彼らが果たした役割は大きいとは思いますけど。これに限らずアファーマティブアクションは、深刻な痛みを残すことが多いです。里見香奈三段には、是非とも三段リーグを通過して四段になって欲しい。
天野貴元先生は、実際に作者が通う将棋教室の先生で、本作では水嶋比呂介というキャラクターのモデルになっていました。大体の将棋マンガはプロ棋士が監修につくんですけど、本作では天野先生が監修だったのではないかと思います。その天野先生は奨励会で三段でしたが、年齢規定により退会を余儀なくされました。さらに、追い打ちを掛けるように舌癌にかかり、手術を行うも再発。次に、抗癌剤とサイバーナイフという治療を行いました。舌癌のレベル4だったということで、手術後は普通にしゃべることもままなく成ります。
長々と書きましたが、私が最も言いたいのは、このマンガの再開を待っている将棋ファンがたくさん居るという事です。
- 作者: 南 Q太
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/01/23
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
読んでも将棋は強くなれないと思いますが、面白いので読まれていない方は1巻から是非。将棋が好きになるはず。
- 作者: 南 Q太
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/03/23
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 60回
- この商品を含むブログ (39件) を見る
- 作者: 南 Q太
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/06/23
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 22回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
- 作者: 南 Q太
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/23
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
関連エントリ
3月のライオン / 羽海野チカ(10)、川本家3姉妹のトンデモ父親が来襲、桐山零がひなたと結婚宣言 - PHMPK.LOG
広告