夫婦合作の壮大な長編SFマンガ。SF少女漫画を愛する私としては、この作品も今一番楽しみにしているマンガの1つです。幼い頃から、萩尾望都先生や竹宮恵子先生のマンガを読み漁って育ち、マンガばっかり読んでるダメな大人になりました。
タイトルのQuo Vadisは、元々歴史小説のタイトルで、ラテン語で「あなたはどこに行くのか」という意味があります。聖ペテロはイエスキリストに、「Quo Vadis(主よ、どこに行かれるのですか)」と問うた後に、ローマで十字架に磔にされました。
これまでのあらすじ
ヴァンパイアとそれを狩る者。有史以来続いてきた争いは、その裏にとてつもない秘密を有していた。
現在より数万年の未来“世界の終わり”。人類は生殖能力を失い、人工胎盤による人工授精で人口を維持しており、滅亡の危機に瀕していた。フレイアをはじめとする数名が滅亡の原因を探るべく過去へのタイムトラベル“ジャンプ”による調査計画を提案するが、政府はタイムパラドクスによる消失を畏れて計画を却下。フレイアたち8人は計画を強行するが、過去のバラバラの時代、バラバラの場所へ漂着する。
8人の中の1人、オーディンは仲間を探しながら数千年の時を生きていた。現代では骨董屋を営みながら情報収集を行っていたが、菩提樹の中で眠り続けていた教授(フレイア)を見つけ出す。
一方で、2人は“真祖”と呼ばれ、バチカンの“評議会”に属するヴァンパイアハンターから追われ続けており命を狙われていた。この世界にはヴァンパイアもまた存在しているのである。
バチカンは、各地方のギルドを通し、不老不死のヴァンパイアを統括しており、不必要に人を害するヴァンパイアや許可なく仲間(ヴァンパイア)を増やす行為を取り締まっていた。
人類滅亡の原因と仲間を探すオーディンと教授、ヴァンパイアたちを統括するギルドとバチカン、望まずしてヴァンパイアにされた恋人を取り戻そうとする人間のエド。三者三様の思惑の背後で、オーディンと教授の仲間であったジョシュアの息子、イエスが暗躍する。(Wikipediaより)
すべての元凶とも言えるのがイエスの父にしてヴァンパイア誕生のきっかけを作ったジョシュアですね。不老不死の肉体で過去に渡りましたが、寂しさから自分の体に遺伝子操作を施し、マリアとの間に息子をもうけます。この時点で、遺伝子操作によって、未来で失われてる生殖能力を取り戻せてるというツッコミを入れたくなります。
ただ、原因は男性ではなく女性側にある可能性もあるので、物語は破綻していないかもしれません。ですが、フレイアがコピーであることが判明した後に、生理が始まったことから、科学の力で生殖能力を取り戻せてるんじゃ、ともう一度ツッコミたくなりました。
未来で生殖能力が失われるのは、やはりイエスが裏で糸を引くヴァンパイア社会の広がりによるものでしょう。オーディン達が過去に向かったことで、抜けられない輪廻の輪に入ってしまっていることを暗示させます。
14巻のあらすじ(ネタバレ注意)
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オーディンがイエスが計画している「最後の審判」について、問い質します。「未来に向かう者と向かうことができない者を分ける」と答えますが、どういう意味でしょう。
ソフィアとルーは、ヴァチカンに関連するヴァンパイアのいる研究施設で起きたテロを調査します。2人は独自に航空券を手配して、施設があったクロイツナッハに向かいます。ソフィアはヴァチカン内にも裏切り者が居ると睨んでいます。
場面は変わって、イエスとマリアの対面。イエスは、「顔を見て話すことができるのはこれで最後かも」という言葉を残して消えます。
ソフィアとルーの2人は、フランクフルトに宿を取りましたが、やはり情報が漏れており部屋に仕掛けられていた爆弾により重傷を負います。
イエスがいじりまわしたポートの設定により、マリアがオーディン宅に行ったり、オーディン達がヴァチカンに行ったり、フレイアがイエスの居た空間に行ったりします。イエスの居た空間でパソコンを除くフレイア。イエスの体が子どもの姿になっただけではなく、加速度的に縮んでいるという情報を得ます。
ペテロの遺体に向かって懺悔するイエス。体が縮むだけでなく、知能も衰えていることを告白します。ジョシュアの棺に向かって「あと少し、あと少しで行けるんだ あなたの時代へ」と言います。全員を巻き込んで、未来へ移動するような計画なんでしょうか。最後は、「ひとりごともあと少しで終わり 僕は…僕を消しに行くんだ」というイエスのセリフ。オーディンやフレイアの協力は得られない、ということはやはり未来へ干渉する計画でしょうか。
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1巻からずっと表紙はフレイアです。ちょっとずつ成長してます。オーディン、フレイアと来たらフレイが出てくるのかと期待させますが、そんなこともないですね。3人目はジョシュアでしたから。北欧神話つながりで、ロキやスルトが悪役として出てきたりしないんでしょうか。
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