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謎解きはディナーのあとで 3 / 東方篤哉、 3で完結となりました。キャラが魅力的ですが飽きが怖いという事かな

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謎解きはディナーのあとで 3

ドラマ化、映画化、マンガ化、舞台化とメディアミックスしまくりの東方篤哉先生の出世作「謎解きはディナーのあとで」。この3で一応の完結を迎えます。主要な登場人物は3人、風祭、宝生、影山の3人だけ。 軽妙なやり取りで事件が解決されます。動機や後日談は一切無し。難しい謎を説くのではなく、状況を無理なく説明できる論理的な筋書きを影山が導きだすのが特徴です。

3で完結となりました。ミステリとしてはすがすがしいまでの3流どころで、キャラクターの軽妙なやりとりと論理的?かどうかはわかりませんが一応筋は通る、という程度の推理による解決なんですよね。飽きられる前に、さくっと完結させたというところでしょうか。

あらすじと感想(ネタバレ注意)

犯人に毒を与えないでください

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元農家の桐山健作が、自室のベッド内で青酸カリを服毒して死亡します。毒殺なので、アリバイは関係ありません。部屋に残されていた水入りペットボトルと輪ゴム、そして数日前から被害者が一緒に寝ていたネコがいなくなったというのが推理の前置き。水入りペットボトルの水で青酸カリを飲んだかのうような犯行現場。

この水入りペットボトルは、実際には湯たんぽがわりにしていたもので、そもそも飲用ではありませんでした。そのことを知らない人が犯人、ということで妻の信子に絞られます。お手伝いさんを雇うような家で、湯たんぽをわざわざペットボトルで自製するという点が私には理解不能でした。

この川で溺れないでください

チンピラの石黒亮太が、川沿いで溺死しているところを発見されます。石黒の住むアパートの浴槽からは溺死に見せかけようとしたとしか思えない川の藻が。容疑者は、石黒の親戚である神崎家の面々。神崎家は死亡推定時刻に花見をしていたというアリバイがあります。

もちろん、犯行現場は川沿いではなく、神崎宅。川の水で殺害後、死体を運んでいます。解決の糸口は、買い出しに使われたにも関わらず花吹雪が積もっていた車。犯人はその車が買い出しに使われたことを知らず、自分が使った後に使われていないと偽装するためにそのようにしていました。買い出しを知らなかった人物、長男の祐次が犯人であるという推理に至ります。

怪盗からの挑戦状でございます

怪盗レジェンドの犯行予告状が宝生家に届きます。狙いは彫刻家の高森鉄斎の作品「金の豚」。麗子は、父の言に従い、宝生家かかりつけの探偵・御神本光一に警備を依頼します。金の豚のある部屋の中に御神本光一とその助手で人ばんじゅう張り込んでいましたが、全員で眠気覚ましのコーヒーを飲んだところ、睡眠薬入りで眠りこけてしまいます。目を覚ますと金の豚はありましたが、「銀の豚」が盗まれていました。

影山は、部屋の中ではなく外で一晩中、見張っていました。部屋の出入りはゼロ。影山は、銀の豚が金の豚とは違ってペラペラの銀板であることから、犯人が形状を変えた上でまだ所持している推理。上着を脱いだ2人が容疑からはずれ、犯人は助手の朝倉美和であるという結論に至ります。

殺人には自転車をご利用ください

資産家の女性佐々木澄子が、子供用の椅子に座らされた状態で殺されているという事件。容疑者は当然遺産が相続される人物となりますが、彼女の甥の元競輪選手である平沢健二にはアリバイがありました。わずか15分ほど席を外した時間がありましたが、その時間で犯行を成し遂げるには時速40kmで往復する必要があります。猛スピードで平沢家と佐々木家を往復する自転車の人物の目撃証言がありました。

もちろん、定番の犯行後の死体移動。何度目ですかね。目撃証言は、あえて目につくように15分間で自転車を適当に爆走しただけ。メインは、家族ぐるみでの佐々木澄子の殺害。その時刻に平沢家で犯行後、死体を運んでいました。誰も車の免許を持っていないので自転車で運ぶことになります。このとき死体硬直前に、子供用の椅子が付いた自転車に無理やり載せていたために、異様な犯行現場が出来上がりました。

彼女は何を奪われたのでございますか

女子大生・木戸静香の絞殺遺体が発見されます。死体からは、服を除けば靴・ベルト・メガネなどが綺麗サッパリ持ち去られていました。当日の目撃証言では、おしゃれな格好をしてメガネをかけていたという証言と共に、勢い良く転んでいたという証言も得られます。

犯人が本当に持ち去りたかったのはコンタクトレンズでした。他はすべてフェイク。当日転んでいたのはコンタクトレンズでいるところを見られて焦ってメガネを重ねて掛けたから。デートしているところを隠したかったんですね。犯人は彼女の恋人であり、メガネを書けている姿を見ていない寺岡浩次であることが明らかになります。

さよならはディナーのあとで

この話だけ単行本での書きおろし。アパート経営者の清川隆文が自宅の木刀で撲殺されるという事件。部屋が荒らされていたことから、ピッキングを得意とする窃盗犯の犯行であるという疑いが濃厚に。さらに、清川邸の近くに住む男性の、男が部屋の中で動き回っていたという証言も。犯人候補の清川家関係者は妻や娘、同居人など全員が女性です。

おかしな点は、ピッキングが得意なはずなのにいかにもな引き出しを開けられていなかったこと。実際は、部屋を荒らした人物こそが被害者の清川隆文。窃盗犯と勘違いされて、木刀で撲殺されてしまったという不幸な事故でした。ところが、木刀には指紋がつかなかったわけです。隆文がいるところに家に帰ってきた時にUV手袋をしていたはずということで、同居人の新島喜和子が犯人であるという推理に至ります。

この事件の後、主要キャラクターである風祭警部が異動することになり、本シリーズは終わりを迎えます。まあ、作者のネタが溜まってきたら、そのうちふらっと再開するかも知れませんけどね。

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