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オレたち花のバブル組 / 池井戸潤、ドラマ半沢直樹の原作2、出てくるのは本業以外のことに熱心なおっさんばかり

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オレたち花のバブル組 (文春文庫)

「オレたちバブル入行組」に続くドラマ半沢直樹シリーズの原作となる2作目。半沢直樹は、大阪支店から東京中央銀行営業第二部次長に栄転しています。

あらすじは、ドラマを見た方ならご存知でしょうし、Wikipediaの項目にも詳しいのであまり詳しくは述べません。

メインになるのが、半沢直樹と大和田常務との対決。「オレたちバブル入行組」では、自分のことしか考えない悪いおっさんばっかり出てきてたんですけど、今回はなんというか会社の業績を下げて、自分の立場を上げようとするという私からするとなんとも理解し難い行動に出るおっさんがいっぱい出てきます。

あらすじと感想(ネタバレ注意)

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老舗ホテル「伊勢島ホテル」の再建を押し付けられた半沢直樹。中堅電機メーカー「タミヤ電機」に出向になった近藤直弼。どっちも、専務や社長が碌でもないことをしでかして立て直しにも一苦労。伊勢島ホテルに至っては、専務が自分の運用失敗による業績悪化の責任を社長に押し付けて失脚させようとします。

伊勢島ホテルの業績が悪化すると、東京中央銀行の業績にも大きく響くので、それを後押ししているのが大和田常務。狙いは業績悪化による中野渡頭取の失脚。2人の行動原理が似ていて、理解不能ですね。会社の業績を上げて昇進するんじゃダメなの?

まったく違うところで戦う半沢と近藤ですが、見え隠れするのは大和田を筆頭とした旧Sと旧Tという2つの派閥争い。自分たちの派閥の位を上げるために、過去に色々やってきた尻拭いをさせられている感がぬぐえません。

けっきょくどちらも、悪事を隠してたおっさんたちが居るんですが、タミヤ電機の方は銀行から貸し付けられた資金をそのまま大和田常務の奥さんの会社に流していました。大和田常務が気づいていた時には、大和田常務妻の会社は借金漬けで火の車。やむなく転貸に手を出したんですね。この情報を掴んで、大和田を追い詰めようとする半沢。

ここから、近藤が出向身分からの出世をちらつかされて懐柔されてしまいます。直接対決での半沢の切り札は、大和田の腹心岸川の裏切り。岸川の娘が、金融庁検査官の黒崎と結婚するという事で、内部情報を漏らしていました。このおっさんも娘よりも前に、ちゃんと仕事しろよって感じですねー。大和田への忠誠よりも、娘と内部情報を漏らした件を隠すことを優先する岸川の証言により、大和田の悪事が白日の下に。

そして、結末が面白いんですが、中野渡を追い落とそうとしていた大和田が逆に中野渡に逆らえなくなったので、出向することなく降格で仕事を続けることに。そして、悪事を暴いたはずの半沢は、行内融和のために銀行から飛ばされてしまいます。この部分もドラマではあったそうなので、続編に続いていくわけですね。

悪役達がスネに傷持つのは毎度のことですが、出世するために会社を堕としめるってのは、理解不能です。

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

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