日露戦争が終わった後の北海道を舞台にしたマンガ。
元軍人で「不死身の杉元」と呼ばれて恐れられていた杉元佐一と、アイヌの少女アシリパ*1が、アイヌの遺した金塊を追います。金塊を巡った警察や第7師団、脱獄囚たちとの戦いも見どころですが、アイヌの生活に密着したグルメリポートも中々のもの。
史実では函館戦争で死亡したとされている土方歳三が、網走監獄に収監されていた脱獄囚として登場します。
1巻と2巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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第1師団から除隊後、親友の妻であり幼馴染でもある梅子の目の治療費を稼ぐために、東京から北海道に来た杉元。親友の寅次は日露戦争で死亡していて、梅子は子どものいる未亡人ですが眼病に冒されていました。
砂金取りをしていたところ、酔っぱらいの男からアイヌの残した金塊に関する話を聞きます。アイヌが砂金から集めた莫大な金塊ですが、ある男の裏切りにより関係者が大量に殺害されて持ち出されていました。その裏切った男は逮捕されて収監されるも金塊の在り処については口を閉ざしていました。外にいる仲間に金塊の在り処を伝えるために取った手段が、他の囚人に刺青を彫って伝えるというもの。囚人たちはある日、隙を見て全員が脱獄していました。
その話を聞いた後に杉元は、酔っぱらいから銃をつきつけられます。「話しすぎた」という理由で口封じのため。その酔っぱらいの体に大量の刺青が掘られていたことから、ただのヨモヤマ話で無いことを確信。ヒグマに襲われた時に助けてもらったアシリパと共に金塊を追うことに。アシリパは父を、金塊を持ち去った裏切りアイヌに殺されていました。
刺青は、剥がして広げることで初めて読み解けるという残酷なモノ。同じように刺青が掘られている脱獄囚を探していると、尾行を受けて次なる脱獄囚が接触してきます。その脱獄囚によると、全員が脱獄できたのはある老人の模範囚が、屯田兵から軍刀を奪って圧倒的な腕前で屯田兵達を殺したから。その老人が土方歳三で、24人が脱獄するも刺青の謎に気づいていてすぐさま他の脱獄囚を殺しにかかっていました。
さらに脱獄囚を追っていると第7師団と交戦することに。第7師団を率いる陸軍中尉の鶴見は、脳の一部が砲弾で吹き飛ばされていて行動が中々にクレイジー。上官を部下に殺させて、誰の命令も受けず部隊を率いて金塊を追います。アシリパを巻き込まないために単独で行動していた時に鶴見らに拷問を受けるも反撃し始めた所で2巻は終了。
杉元たちと第7師団、土方率いる脱獄囚という3つの勢力による金塊を巡る戦いの中に時折挟まれる美味しそうな料理。おいしいはアイヌ語でヒンナっていうんですね。いろんな要素が詰まっててこのマンガ熱いですね。ダンジョン飯に続く今年の面白いマンガ。
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*1:リは小さい文字表記が正しいようです