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ルーズヴェルト・ゲーム / 池井戸潤、次々に襲いかかるピンチをご都合展開で切り抜ける中堅電子部品メーカーというおっさんホイホイ

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ルーズヴェルト・ゲーム (講談社文庫)

池井戸潤先生の小説、ドラマにもなっています。テーマは社会人野球。

中堅電子部品メーカー青島製作所とその野球部を舞台としています。お金の話が尽きないのはいつも通り。会社がお金を出す社会人の部活動って本当に下火ですよね。野球やサッカーはまだ競技人口が多いからお金を出す企業もあるかも知れませんが、それも業績が悪くなればまっさきにコストカットの憂き目に会います。

引退してから正社員として働けるならまだしもスポーツのみの契約社員なんて目も当てられません。本作と競技は違いますが、最近私が面白いと思ったのは、日本のバスケットにまつわる話ですね。プロリーグと社会人リーグがあって、プロはもちろんバスケ一本で食べている人たちが集まっています。が、実力は圧倒的に社会人リーグの方が上。鶏が先か卵が先か、という議論は嫌いですが、バスケの場合、人気がなくてプロだと収入が不安だからという理由で、安定を求めてうまい人がみんな企業に入ってバスケをやってしまってます。待遇に差がありすぎて歩み寄りがなく、このままいくと東京五輪への出場資格が与えられない可能性すらあります。

あらすじと感想(ネタバレ注意)

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中堅電子部品メーカー青島製作所は、村野監督が主力二選手を引っこ抜いてライバル会社のミツワ電機に移籍してしまいます。折しも不況で、経営が危ないところに、企業規模の大きなミツワ電機が価格攻勢を仕掛けてきて、コストで勝てない青島製作所は次々にシェアを奪われていました。

ここから社会人の監督は未経験で、高校での監督経験のある大道を招いて野球部の強化を図っていきます。データ重視の大道の手でレベルアップしていく野球部。ここで気になったのが、村野がスタメンを固定していたはずなので、控えはそれほどデータがなかったはずなんですよね。あの飲み会でレギュラーを説得したデータはいつ、どこのものなのか。

次々の訪れるご都合展開で、あれよあれよと盛り返していく青島製作所。世の中ではこういうのが受けるんですかね。

派遣社員の沖原が、高校1年で暴力事件を起こして退部していたが、スカウトも唸る豪速球投手として突如登場

不眠不休で開発を続けた結果、納期にぴったり収められるイメージセンサの開発

損得を抜きに臨時株主総会でミツワ電機との合併案を否決してくれる大株主の存在。さらにこの大株主は野球部が背部になった後、自分の企業で新設した野球部に全員引き取るという太っ腹っぷり。

これらの要素がうまくからみ合って?社会人野球では、にっくきミツワ電機をルーズヴェルト・ゲーム(スコアが8対7のどっちに転ぶかわからない試合)で制して、新型イメージセンサで一気に受注を取り返して、リストラした社員は工場がフル稼働するので再雇用みたいなバラ色展開。

時代劇みたいなお約束のオンパレードでしたね。ドラマ化したそうですけど、どんな人がみるんでしょう。

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