ガチな自転車ウンチクが次々飛び出す鬼頭莫宏先生のマンガ、死人は出ません。この11巻で最終巻。
主人公のノリが自転車嫌いになった原因が、同級生で現役プロサイクリスト「三ツ渕進」との関係になったことが明らかに。そして、その三ツ渕がどうやらリンちゃんが憧れる男性であり、現在日本にも帰ってきていることがわかります。
ちょっと落ち込んだリンちゃんのところに、博多弁を話す同級生の女の子日向ちゃんが現れて「のりりん」と励ましたところ。
最終11巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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日向ちゃんも加えてまた全員でツーリングに。片道およそ30kmの道のり。ノリはリンちゃんの憧れだった三ツ渕のことを独りよがりのワガママと言っちゃってから、ちょっと避けられています。ヒナタ・リン・ノリの3人で進んでいると、「今まで見た中で一番早い」と感じる自転車乗りが追い抜いて行きました。そのフォームだけでミツブチであると感じるリン。ゆっくり走るはずが、ひとり飛び出していきます。それを追いかけるノリ。
休憩地点まで進みますが、結局ノリはミツブチにもリンちゃんにも追いつけず。携帯を持たずに一人で行ってしまったことから、ヒナタちゃんとノリの二人で湖沿いを走って探すことに。途中土砂降りになって休憩する2人。そのころリンちゃんは結局ミツブチに追いつけずにトンネルで雨宿りしていました。リンちゃんが追いつけないとなると、相当のスピード。
ヒナタちゃんから、リンちゃんが博多弁でしゃべる理由が明らかに。転校生だったヒナタちゃんがみんなと違う博多弁で馬鹿にされていたことから、仲間はずれにならないように自分も博多弁をしゃべるようにしたんですね。その関係はミツブチとノリも同じだったことがミツブチから語られます。雨が降ってきたことでトンネルまで戻ってきて会話するリンちゃんとミツブチ。
「くそ」「死ね」はミツブチの口癖で、思ったことをはっきりしゃべる性格から孤立していたところに、近づいてきたのがノリとオヅという女の子。この3人で仲良く学生時代を過ごしていましたが、微妙な三角関係になりノリとミツブチどっちが告白するか的な空気になって、レースの勝敗でそれを決めちゃうという自転車乗りのイズムが出てきちゃったりしてややこしくなったんですね。そして、ノリからするとオヅとミツブチが幸せになるのが順当なはずなのに、ミツブチは突然プロになるために海外に行っちゃった、というわけ。
リンちゃんがミツブチのことを知っていたのが、小学校の頃に家から遠く出た所でパンクしたところを助けられたから。ところが、これ実はミツブチ一人じゃなくてその場にノリもいました。むしろリンちゃんを易しくフォローしたのはノリ。つまりリンちゃんが昔から憧れていたのは、そのときミツブチと一緒に自転車に乗っていたノリだったことがわかります。
最後は、ヒナタちゃんが夏休み終わりで帰る前にノリとリンちゃん2人が勝負することに。負けたらリンちゃんは好きな人をノリに教えないといけません。なぜかミツブチも審判役として参上。楽しく走ってたんですが、最後はレースであることを思い出して負けた時のことを想像したリンちゃんが顔を赤くしてノリをぶっちぎり。かわいいですね。
打ち切り、じゃないと思うんですけど最終話は、リンちゃん家の事情が次々さらっと語られました。リンちゃんのお母さんが自転車に乗らないのは「病気のため」って言ってたんですけど、実は健康そのもの。自転車に乗ると、子育てのことすら忘れてしまうという頭の病気の方でした。さすがにリンちゃんのお母さん。そしてリンちゃんのお兄さん2人も自転車乗り。上の兄は競輪選手の轟(ごう)で、下の兄はロードの転(てん)、独特のネーミング。
ミツブチによると、ノリの自転車センスは中々でこのまま上達すれば、リンちゃんは春頃には告白させられるだろう、とのこと。ここで終わっちゃうのももったいない気がしますけど、作者の自転車ウンチクも出尽くしたからかな。
- 作者: 鬼頭莫宏
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