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ヒストリエ / 岩明均(9)、アンティパトロスの指示でアテネ、そしてとなり町のピレウスに。ピレウスで出会ったのはまさかのカロン!

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ヒストリエ(9) (アフタヌーンKC)

「ヒストリエ」は、「寄生獣」の岩明均が描く歴史マンガ。2010年に第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の大賞、2012年に第16回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しています。

紀元前4世紀頃のマケドニア王国のアレクサンドロス大王に仕えた書記官エウメネスの生涯を描きます。

これまでのあらすじ、エウメネス中心に

カルディアという町の有力者ヒエロニュモスの次男として育ち、飛び抜けた知性を発揮していたエウメネスですが、実はヒエロニュモスの実子ではなくスキタイ人の子でした。ある日脱走したスキタイ人奴隷トラクスが町で暴れまわり、スキタイ人の秘められた凶暴さを見せつける中、混乱に乗じてヒエロニュモスが部下に暗殺されるという事件が起こります。エウメネス自身も拾われたスキタイ人奴隷の子という出自が明らかになり、町には居られなくなり商人に奴隷として売り払われます。

商人の船で航海の中、奴隷たちの反乱により商人が殺され船は沈没。流れ着いたのはパフラゴニアにあるボアという村。そこでも才気煥発っぷりを発揮し、村の住人として受け入れられます。ボアの村は隣のギリシア人の街ティオス市の庇護を受けていましたが、ティオスの顔役の息子ダイマコスが、穏健な父が病に伏したのを良いことにボアの村支配を企てます。その企みに対し、持ち前の知略で村を率いてダイマコスは罠にかけ殺します。ティオスとボアの村の関係を考え、ティオス側の怒りを引き受けて身を引くエウメネスは、故郷カルディアへの帰路につきます。

カルディアでも一悶着ありましたが、隻眼の商人アンティゴノスの誘いを受けて一緒に街を出ます。アンティゴノスの正体がマケドニア王フィリッポス。書記官見習いとしてフィリッポス王に仕えることになったエウメネスは、名門貴族アッタロスの家に居候することに。書記官見習いとしての仕事に慣れていき、フィリッポスの遠征に従軍。目的はペリントス・ビザンティオン二都市への攻略です。この従軍は結局二都市を落とすに至らず、周辺海域を制圧してから撤退することとなります。撤退時に蛮族の強襲により負傷したフィリッポスは部隊に指示を下せなくなります。エウメネスは機転を聞かせアッタロスの名を借りて諸部隊に指示を出し、敵を退けることに成功します。なんやかんやで評判を高めていくエウメネスは、アッタロスの姪エウリュディケともいつの間にか恋仲に。

エウメネス中心だとこんな感じ。フィリッポス王の王子である二重人格のアレクサンドロスが何やら不気味な雰囲気を出しています。というか母のオリュンピアスがとんでもない魔女っぷりで息子を、父を踏み越えさせるために人格を歪ませて新たな人格を宿らせたかのような描写が。

9巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

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アッタロスの名を借りて諸部隊に指示を出し、見事蛮族を退けたエウメネスですが、その手柄を全部アッタロスに渡します。というか、勝手に指示を出して一歩間違えれば大損害、というところだったので実際にバレちゃうと処分は確実なので、アッタロスに恩を売ります。といってもアッタロスはそんな嫌なキャラじゃないですが。

エウメネスの次の仕事は、アンティパトロスの指示のもとアテネへの遠征。目的はフォーキオンとの接触。フォーキオンに贈り物をして少しでも評判を下げて将軍に選ばれないようにすること。ちなみにアテネはなんでも住民投票で決める都市で、将軍も投票で選ばれます。前回フィリッポスはフォーキオンの鉄壁の守りの前に煮え湯を飲まされています。

最初はけんもほろろだったフォーキオンですが、ある日エウメネス一人を家の中に受け入れます。「信頼できる友人に頼まれた、友人の名は言えない」というフォーキオン。鋭いフォーキオンはエウメネスが商人などではなくマケドニアの使者であることを見抜いているようですが、巧みな会話でマケドニアとアテネの戦争を止める方法についてエウメネスと議論。そこから、エウメネスと将棋を指すことに。このマンガは将棋推しですね。アンティパトロスの目的は表面上、フォーキオンを将軍に選ばせないことですが、実際にはアテネを支配した後にフォーキオンに配下に入ってもらうことでした。とてつもなく優秀な人材であることがわかっているからこそ、次を見据えてフォーキオンには戦争に参加させないようにしたかった様子。

アテネに滞在していた一行はマケドニアから来た使者であることがバレてしまい逃げることに。そこに話しかけてきたのが、メランティオスという名の男の使い。エウメネスの部下の調査で、フォーキオンに接触したのがメランティオスの部下だけであったことの調べがついていました。メランティオスに会いに隣街のピレウスへ。

ピレウスを治めるメランティオスの正体はなんとカロン!。最初期に出てきた奴隷です。10年の間に奴隷からここまで這い上がって来ていました。旧交を温めるエウメネスとカロン。

そしてマケドニアとアテネの戦争では、アンティパトロスの思惑通り将軍はタカ派の弁論家デモステネスに。槍を交えるアテネ軍とマケドニア軍。マケドニア軍の一番槍が相手に突撃しようかというところで、ヘファイスティオンが不穏な動きを見せ始めています。

9巻もなかなか濃厚。まさかカロンが登場するとは。史実をなぞりつつ、作者の創造による登場人物のやり取りがふんだんに盛り込まれていますね。

ヒストリエ(9) (アフタヌーンKC)

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ヒストリエ(9) (アフタヌーンコミックス)

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