ウィンドミル漫画専門学校というマンガ専門学校を舞台に、現役漫画家で高校生の高槻勇斗が講師として一癖も二癖もある受講生たちを指導するという設定の漫画をネタにしたマンガ。
見どころは何といっても、マンガを描くこと自体をメタるシーンの数々。ラブコメ展開が出てきたときにスクリーントーンを感じ取る陰陽師キャラや、本気で漫画家を目指す人だけに見える幽霊という設定だということをそのマンガの中で自分でしゃべる幽霊。
このマンガ、私はどストライクでツボにはまったんですが、3巻で打ち切り終了となってしまいました。緒方先生のTwitterを見ると、続編を何らかの形で出したいと考えているとのことですが、Twitterにすごいエネルギーを使いすぎてるんじゃないかと心配になります。
3巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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2巻の最後でアニメにドはまりして「萌え」の何たるかを理解した岸和田は過去を克服し、マンガを読んで人生は変わるんだという思いを確かにし、幽霊の天王寺あきらが見えるようになります。どこで回収するつもりなのか、最年少受講生の野田いおりは6年前に出会った岸和田に専門学校で再会して運命を感じているようです。
8ページの課題を終わらせられない枚方は、あきらから助言を受けますが、次第にあきらのすがたが見えなくなってしまいます。勇斗から枚方へのアドバイスは「たくさんのENDマークをつける」こと。その意味するところは、マンガを描き始めて日が浅いうちはとにかくページ数ではなく作品数を増やすことが大切だということ。ひとつの作品を完成させる喜びもありますが、これから先何度も投稿するために創っていくために大切なこと。
まじめなシーンだけじゃなく、マンガのテクニックと絡めた笑いもあります。無駄に水着が登場するアイレベルの説明。視点と角度を自在にうまく使いこなすこと、でしょうか。
最後はいろんな要素を一緒くたに盛り込みながら、収束へ向かっていきます。講師をしつつ、新連載のネーム作り。ヒーローもののネームを描きながら、生徒たちには「ヒーローズ・ジャーニー」について説明。簡単に言うと、昔からある神話や映画や小説なんかに共通する物語における要素。
勇斗に惚れている千林が大切にしている帽子が飛ばされる→車いすの佐井寺が帽子を探しに行ったところで転んでしまい、気を失う→行方不明になった佐井寺をみんなで捜索→あきらが幽霊の力を解放して佐井寺の居場所を見つけ、エネルギーがなくなり消滅→みんなで佐井寺の下に集結。その直前に脈絡なく勇斗から千林に告白という一連の流れ。
なんかもうすべてが、メタ的に詰め込まれた要素に感じられるんですが、それをあえて匂わせてくるあたり狙ってるんでしょうね。マンガをたくさん読んできた人に刺さるように計算されてる。もっとじっくりいろんなネタを見てみたかったんですが、続編はあるかな。
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