戦闘破壊学園ダンゲロス / 架神恭介 / 横田卓馬(1)-(8)、二次創作フリーのダンゲロス世界のマンガ版、因果を超えた能力バトルが展開

「戦闘破壊学園ダンゲロス」は架神恭介先生が原作の小説・ウォーシミュレーションゲーム。このエントリで紹介するのは、横田卓馬先生によるマンガ版。

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「魔人」と呼ばれるキャラクターユニットを思うがままに作成すれば、誰でも参加可能！毎回、20～40名程度の妄想はちきれんばかりの猛者どもが、独創的な「魔人」を持ち寄って参戦している！

参加者は二陣営に別れ、約一週間の作戦会議を経て、互いの知力と戦術をぶつけ合い勝敗を決する！

想像力・妄想力・独創力に委ねられた自由自在なキャラクターメイキングがダンゲロス最大の魅力！言わば「特殊能力の使える派手な将棋」！「魔人将棋」などとも呼ばれている！

なんと二次創作フリーで、ダンゲロスのキャラクターを使ってみんなが自由に創作した作品を後悔することができます。

あらすじと感想(ネタバレ注意)

私立希望崎学園、通称「戦闘破壊学園ダンゲロス」での魔人たちの戦いを描きます。導入のシーンは、ごく普通の高校生友釣香魚が大学生たちに襲われるシーンから。男に対する憎しみが頂点に達した時に魔人として覚醒した友釣はウイルス創造能力「災玉」を獲得、襲ってきた男たちを皆殺しにします。災玉は、男にのみ感染するウイルスを作り出し、精液を吐き散らせながら金玉を爆裂させる能力。

その友釣は希望崎学園に入学してすぐ、その能力を見こまれて生徒会に勧誘されます。希望崎学園では、生徒会と番長グループがお互い大量の「魔人」を抱え込んで対立していました。魔人は友釣のような能力者を指します。規律を重んじるのが生徒会、大量のアウトローを擁するのが番長グループという構図。

生徒会を率いるのがド正義卓也、その能力「超高潔速攻裁判」は、相手が罪を犯しているとド正義が認識すると問答無用で命を奪えるという凶悪な力。そのド正義が学園総死刑化計画と称して、あらゆる生徒をその一存でいつでも命を奪えるようにして管理しようとしたことに反発する形で、血で血を争う抗争ダンゲロス・ハルマゲドンが勃発します。

ちなみに原作者と同名の架神恭介というキャラも出てきていて、「サドンデスソース」という見たカレーの辛さを念じるだけで自在に変化させる能力の使い手。

生徒会側が男であれば問答無用で殺す友釣を引き入れたのに対して、番長グループは両性院男女(りょうせいいんおとめ)という生徒を引き入れます。この両性院が主人公で物語は進んでいきます。両性院の能力「チンパイ」は、対象の性別を入れ替えるという男を問答無用で殺す災玉に唯一対抗できそうな能力。この世界では能力は絶対ですからね。

番長グループは性別を全員女に変えて生徒会に特攻。生徒会と番長グループの戦いが始まって、双方の多様な能力を持つ魔人が登場します。もちろん架神のような出落ち能力も大量にいますが。さらに「転校生」と「校長」という2勢力も加わって戦況はカオスになってきます。転校生はダンゲロスの世界では攻撃力と防御力が無限大のジョーカーキャラという設定で、その能力以外に肉弾戦で殺すことは不可能。校長は本編で黒幕とも言える勢力で、架神を煽って生徒会と番長グループの戦いを誘発するよう裏で動いていたことが明らかとなります。

生徒会を壊滅状態に追い込むのが、全員女性で構成された校長勢力。ド正義の力は法律や校則に違反していない人に対しては無力な能力ですからね。両性院が加わった番長グループは生徒会にほぼ壊滅させられた上に、番長の邪賢王ヒロシマと両性院が転校生と闘うことになり、邪賢王は命を落とし、両性院は捕らえられます。

最期の展開は、大雑把ながら各自の能力が収束する形で全員死んでいきます。転校生のユキミ、黒鈴、ムー3人の能力はどれも規格外。ムーは生徒会の一刀両断(いとりたち)の能力で命を落としますが、ユキミの「有無」と黒鈴の「XYZ」で一挙学園に存在する全魔神の抹殺を狙います。XYZは死んだ魔人の脳みそをプリンに変えて食べて能力を使えるようにする能力で、有無は他の魔人の能力の効果範囲を地図に書いて任意に広げるというもの。どう考えても有無の能力が反則過ぎますね。

黒鈴がチンパイと災玉を使って、有無を加えて全生徒を男性化して殺しにかかります。両性院はユキミの言う事を聞いて全生徒を女性化して殺すのに協力しますが、自らも転校生化してユキミと黒鈴を倒します。転校生は、魔人が存在する世界で矛盾する2つの能力がカチ合ったときに勝利した時になれる無敵の存在だったことがユキミによって語られ、そこから両性院は自身が転校生になれる条件を満たしていたことを確信しました。

最後に生き残ったのは両性院男女と、両性院の想い人である天音沙希の2人だけ。最後、XYZが奪った災玉で両性院が死ななかったのは、両性院がもともと女で瞬時に男から女に戻ったから。

出落ち能力も含めて、能力が全てという世界のハチャメチャバトルマンガ。地味に作中最強能力の一つである「騙しの美学」を持つ口舌院言葉を殺したのが架神恭介。騙しの美学はなんかよくわかりませんけど、相手を言葉で丸め込んで能力を跳ね返すという反則能力。そして、サドンデスソースに勝るとも劣らないしょーもない能力の「メギド」は、あらゆるこの世の因果を超えて相手の処女だけを奪うという能力で、使い手はド正義の腹心である赤蝮。非処女を校則違反にするというド正義の方針とセットになって初めて活きる能力でしたが、両性院が転校生化するのに一役買いました。

ダンゲロス最新作の作画は鈴木先生の武富健治が担当しているとか。こちらも是非とも読みたいところ。