主人公の双子ピノとピピが暮らす世界は、本物の世界から吐き出されたボツネタで成り立っているその名もボツコニアン。伝説の長靴の戦士に選ばれた2人が、ボツコニアンを本物の世界にするために世界を旅します。
ここまでのあらすじ
アクアテクの街で、ピノピの2人が「あんまん」なるものについて現地調査に行きます。あんまんはコノノ饅頭が作っているのではなく、朝どこかから運ばれてくることが明らかになり、霧の中であんまんを運んできた馬車を追いかけて霧が晴れると、アクアテクとは全く違う景色が広がっていました。そこは三国志の二軍の世界。
あらすじと感想(ネタバレ注意)
二軍三国志の世界で赤壁の戦いならぬ赤白の戦いへ
二軍三国志の世界に迷い込んだピノピの2人の前に次々と名前を聞いたことがないキャラクターが現れます。三国志と一口に言っても長い歴史で広い範囲にわたりますが、ピノピがいるのは「赤壁の戦い」で魏が呉に攻め入って起こった戦でした。
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二軍三国志に登場する主要なキャラクターたち
キャラ名 | 説明 |
---|---|
郭嘉(かくか) | 宮部みゆき先生の手でイケメン天才軍師として登場。赤壁の戦い以前に亡くなっているので幽霊状態 |
楽進 | 魏の名高い武将。本作の原稿ができてから、作中で「真・三國無双7」でデビューしてしまい、二軍キャラではなくなったことが語られている |
孫策 | 二軍にはふさわしくない有名武将だが、赤壁の戦い以前に亡くなっており郭嘉と同じく幽霊として登場。作者が虎牢関ステージで呂布にボコられ続けて電源を落としてフテ寝してしまったことから二軍の世界に |
張昭 | 呉軍の文官の長にして、孫権のご意見番。武闘派ではないのでゲームでは二軍だが、ボツコニアンでは「これが本当の文官(シビリアン)コントロール」と称してその武力で怪獣と戦う |
「赤壁の戦い」だったはずでしたが、二軍の世界は一軍に戦える人を持っていかれて負傷者や文官ばかり。さらに行方不明者も出ていて戦どころではありません。
残った人たちで紅白戦として「赤白の戦い」に突入します。赤壁と赤白(せきはく)が似ているという無理やりな展開。2つのグループを率いるのは陳寿と羅貫中という聞きなれない2人。それもそのはず、2人は三国志と三国志演義の作者だから。戦いと銘打っていますが、なぜかクイズ対決10番勝負になり、さらにさらに勝負の途中で体が紅白に彩られたゴジラみたいな怪獣が出てきてみんなに襲い掛かります。行方不明者はこの怪獣の仕業。
三国志の武将と怪獣が戦ったら面白い、というまさしくボツネタを体現する展開になり、ピノピと武将たちが力を合わせて戦いますが、最後に懐柔を倒したのはルイセンコの2足歩行型ロボットでした。なんじゃそら。
戦いが終わると、忘れかけていた設定である魔王の書庫へと通じる鍵が出てきて「伝道の書」を一冊ゲット。ゲームが移植中でちょっと暇になったからと登場した諸葛亮からピノは軍師ビームという技を教えてもらいます。
ほらほらHorrorの村へ
伝道の書の解読をポーレ君にお願いして、ピノピはアクアテクの北の山に登場した地図にない村を目指します。行った人が化け物の村と言うだけで口を閉ざし、封印が解かれたことで現れたボツに違いないということでした。
山の上で怪しげな鳥居を見つけてくぐると、湯けむり温泉のあるディスカバー・ジャパンなボツゲームの異世界に迷い込みます。村ではなく町といった規模ですが、人の気配があったかと思うと三角錐頭の怪しい人たちがわらわらと登場してピノピの2人を追いかけてきます。幽霊の郭嘉も合流して、街を探索しますが、郭嘉も三角錐頭の人たちは恐ろしい様子。そうして逃げた先のいかにもな掘っ立て小屋で行方不明になっていた女性記者のタバサ・サンと合流。
三角錐頭軍団と戦うことになって、ピノが軍師ビームを撃ち込むと頭の三角錐が燃えて中から普通の顔が出てきます。「おまえら、なんでそんなもんかぶってンだよ!」というツッコミとともに4巻へ。
3巻は作者が長年温めていたアイデアの二軍三国志ということでしたが、ちょっとマイナーキャラの連続なのと、展開がおおざっぱすぎたのでつらかったですね。ホラーの続きで面白い展開が続くといいんですが。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/08/05
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