PHMPK.LOG

漫画、ゲーム、投資、育児

広告

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 / 西川秀明(2)、神宮寺に立ち塞がる昭和の怪物田中七郎名人

広告

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 2 (ジェッツコミックス)

3月のライオンは、幼くして天涯孤独となった天才棋士、桐山零(きりやまれい)の物語。その桐山の後見約として登場した豪快な日本将棋連盟の会長、神宮寺崇徳を主人公としたスピンオフが「昭和異聞 灼熱の時代」。昭和の時代、27歳の神宮寺の戦いを描きます。

18歳でプロになり、破竹の勢いでA級に昇格。23歳、最速で名人戦に挑んだ神宮寺。昭和の怪物と呼ばれる名人に叩き潰された後で、大スランプに陥り、B-2に降格し暗黒の3年間を過ごしてからの復活を描くのが1巻でした。

2巻では、昭和の怪物に挑んで敗れたエピソードが描かれます。

2巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

広告

様々な登場人物が語る名人のエピソード。身長は145cm、体重は38kg、歩く姿は豆っころですが名人。ハンデ戦となる新四段との記念対局のルールをねじ曲げて平手で打って完膚なきまでに叩き潰したり、そのお祝いと称して日本将棋連盟にお金を出させて銀座の高級クラブで豪遊したり。

他であれば誰にも相手にされないような小人ですが、将棋だけは別。鬼神の如き強さで相手を圧倒します。序盤は何の変哲もない平凡な指し口ですが、終盤に入ると鬼の強さとなります。尋常じゃない勝つことへの執念でもって、狡猾で心理戦・盤外戦もお手の物。

神宮寺が将棋会館への近道に八幡神社を通ったときに、名人とすれ違います。小さな体で、ねずみのような顔、大きなメガネをかけた田中七郎十五世名人。自分が倒した神宮寺の顔すら覚えていませんでした。屈辱に震える神宮寺は、自らが負けて大スランプに陥るまでを回想します。

負けたら切腹と豪語して上座に座って挑んだ名人戦、23歳の神宮寺。初戦が名人の薄氷の勝利で終わり、あと一歩というところでしたが、二戦目・三戦目も勝てそうで名人に届きません。何をしても勝てないという感覚に支配された神宮寺は四戦目で普段全く指さない振り飛車にする奇手で暴発して完全敗北。

田中七郎の背負う過去は壮絶。一度、棋士になるも戦争で出兵。ガダルカナル島で地獄を経験します。飢餓とマラリア、動けなくなったら自害もしくは処分という上からの厳命、20000人が帰れなかった地獄を生き抜いた七郎は、捕虜となり収容所を経て日本に帰ってきます。昭和の時代に将棋の王様として君臨する七郎の絶対に誰にも負けないという覚悟。神宮寺はまだまだ及びません。

あとがきでは、3月のライオンの将棋監修もしている先崎学先生が、昭和の時代の大名人について語っています。田中七郎のモデルとなった大山十五世名人の数々の豪快なエピソード。ラスボスが出てきて本編に負けない熱い戦いの将棋漫画になってきました。

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 2 (ジェッツコミックス)

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 2 (ジェッツコミックス)

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 2 (ジェッツコミックス)

3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 2 (ジェッツコミックス)

関連エントリ

phmpk.hatenablog.com

phmpk.hatenablog.com

広告

広告