冴えない高校生だった少年が、吸血鬼の少女に襲われたことで少しずつ人間から吸血鬼へと変貌していき、穏やかだった日常が壊れていくマンガ。
クラスでパシリにされている主人公の岡崎誠でしたが、吸血鬼の少女に襲われてから、尋常じゃない飢えに襲われるようになってしまいます。いじめっ子の勇樹を衝動的に殴り、階段の踊り場の隠れているところに来た女子生徒の五所雪子を襲い、夜にいじめっ子の勇樹が絡まれている現場に遭遇すると獣のような動きで勇樹に絡む男たちに襲いかかります。
未だなんとか誰の血も吸っていません。
2巻と3巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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学校に登校すると、意外にも勇樹の方から遊びに誘ってきます。中学の頃からつるんでいたガラの悪い悪友たちの中から抜けたかったことをポツリと漏らす勇樹。
同じいじめられっ子だった布田に呼び出されて向かうと、勇樹に絡んでいた男たちが居て誠はボコボコにされます。勇樹が誠から電話がかかってきたと思って出るとリーダー格の金子という男から。「抜けられると思ってんじゃねーぞ!早く来い!」と呼び出されます。
男たちに腕を縛られ蹴られながら意識がもうろうとなった誠は、飛び上がって頭突き。金子の鼻血が出たところで、誠の様子がおかしくなって犬歯が突き出ます。
誠の声にならない叫びが聞こえたのか、無邪気な顔をした少年が突如現れます。「さっき呼んだのは君?」「これ、吸わないの?」と話す少年は、金子たちの首にかみついて次々に吸血。後始末と称して、トドメを刺そうとします。さらに誠にも「なりたて?」「じゃあ殺しとかなきゃ」と手を伸ばします。
殺されそうになった誠を救ったのは勇樹でした。少年を後ろからブロック塀で殴ります。誠を担いでその場から離れようとする勇樹でしたが、すぐさま立ち上がった少年に首にかみつかれます。そのとき飛び散った血が誠の口の中に。
そこから5日間が経過し、学校では集団行方不明事件として報じられたことがわかります。誠だけが血だらけでその場にいた生存者だったとも。誠の入院している病院に五所さんと勇樹の彼女の白石さんが向かいます。
遮光カーテンに覆われた一室でベッドに横になっている誠は、「僕はもう学校には戻れない」「日の光も浴びられない」と話します。その日の夜、異常な高揚感に包まれた誠を、あの少年が殺しに来ます。抵抗する誠にも、吸血鬼の人間離れした身体能力が加わっていますが、サクと名乗る少年には勝てません。殺されそうになった誠を助けたのは、誠を吸血鬼に変えた少女ノラでした。サクはノラに跳ね飛ばされて電車に轢かれ死にます。
サクが話していたことを頼りに血の匂いをたどった誠は、マンションの貯水槽の中に入れられた勇樹たちを発見。勇樹だけは一命をとりとめていました。しかし、誠が生きていたのは吸血鬼に「なりかけ」だったからでした。翌日、渇きに耐えられなくなった勇樹は母親を吸血して殺し、失踪します。
誠に接触してきたノラは「人間の世界にいてもつらいだけだ」「私と一緒に行こう」と呼びかけます。ノラの誘いを拒んで誠は自宅に戻ります。
自分の身に起こったことを五所さんに話す誠。五所さんは信じられないまでも誠のことを必ず助けると話します。巻き込めないと拒む誠でしたが、亡くなった弟に似ているという理由で五所さんも引きません。
そうこうしているうちに、誠の家には警察が踏み込んできます。無理やり連れ去られそうになる誠を助けたのは、超人的な力を手にした勇樹。母親の血を吸って殺したことを明るく話す勇樹は、誠と一緒に逃げようと言います。どこにも逃げられないと言う誠は、勇樹をノラのところに連れていきます。
誠と勇樹の2人が吸血鬼になっていく2巻と3巻でしたが、家族の様子が対照的に描かれて切なすぎます。食べ物を一切受け付けなくなって日光も浴びれなくなった息子を、必死で守ろうとする誠の母親。対して勇樹と距離を置いて突き放し、最後は血を吸われて殺される勇樹の母親。献身的に誠を思う五所さんですが、押見先生だと残酷に殺す展開に持っていく可能性がないわけじゃないところが怖いですね。もうハッピーエンドはなさそうですが、次の展開が気になって仕方がありません。
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