「のだめカンタービレ」の二ノ宮知子先生が描く、オーバークロックというPCを規格を超えて動作させることに執念を掛ける人たちのマンガ。ジャンプ改が休刊になりましたが、ヤングジャンプに移籍しました。
ぼっさんは、実家のある長野でeekやミケ、奏が戦うためのオーバークロック大会を企画。メーカー所属のeek、ミケ&ぼっさん、ハナ&奏の対決になっていきます。9巻で完結となりました。
買った時の帯に「世界最速のラブストーリーついに完結!」って書いてあったんですが、ラブストーリーだったんですね。
9巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
広告
ハナは、ぼっさんとの結婚を推し進めようとする両親と叔母に、「妊娠している」と嘘をついて追い返した後、奏から告白されます。モヤモヤを抱えながらも付き合い始める2人。
ぼっさんが企画したラスベガスの家電ショーとジョイントして開催されるオーバークロック大会で、eekとミケが対決することとなります。勝つために手段を択ばないeekは、大会が始まる30分前にBIOSを更新します。公式にダウンロードできるBIOSを使うのがルールのオーバークロックなので、ミケに練習する暇を与えない特注BIOSを直前に公開することでeekが有利に。
試合が始まって、ミケが選んだのはeekのいるNEMOSのインドネシア製マイナーマザーボードであることが明らかになります。この勝負の為に、火切の財力を使って片っ端からNEMOS社のマザーボードを試していました。
ワールドレコードを更新しつつスコアで先行するeekですが、ミケがぴったりとついていきます。日本にいながら、その様子をスマホで見つめる奏とハナの前に、ハナの父親がやってきます。
2人の仲を認めるから、今すぐ婚姻届けを書けとせまる父親。ハナの妊娠が狂言ならば書けないだろうと踏んでいました。どうなることかと思いきや、スマホからミケがワールドレコードを更新した実況が響き渡り、それどころじゃなくなります。オーバークロックの世界を説明されても全く理解できない父。
追い抜かれたeekはチート行為である未公開BIOSへの切り替えでさらなるワールドレコードをたたき出します。1日目はeekのリードで終了。卑劣な行為を許せないと憤るハナに、奏は応援に行けばいいと突き放します。奏は、ハナが自分と付き合っているといっても、心はずっとミケに捕らわれていることに気付いていました。そして、そんなミケを同じ日本人として応援したいという思いも。
ハナは2日目に間に合うように、日本を飛び出てラスベガスへ。繰り返されるチート行為に辟易してやる気を失いかけていたミケですが、ハナの声援で自分を取り戻します。相手に捕らわれるのではなく、純粋に自分の記録と目の前のマシンと戦う楽しさを取り戻すミケ。4台のマシンを同時に回して温度管理するという神業を見せます。eekのワールドレコードを更新してタイムアップとなり、勝利するミケ。
一方、日本では同じ2Dのオーバークロックに、ハナが調達したマシンで取り組む奏の姿がありました。ハナがミケのもとに行ってしまった後で、大会で出たミケのワールドレコードを更新する奏。ハナを示すハンドルネーム87でレコードを投稿します。そしてエピローグへ。
奏は、父親のいるロンドンへ音楽留学を決めていました。オーバークロックに夢中になっていた時も、バイオリンの練習だけは続けていなければ気が済まなかったことから、自分にとって一番大切なことが気付きました。その報告を聞いて、また奏が遠くに行くことにがっくりするジュリア。やけ食いした後、無理やり奏を部屋に連れ込もうとする様子でしたが、この2人はくっついたっぽいですね。
日本に帰ってきてボロアパートで暮らすミケのもとには、就職を決めて押しかけるハナの姿が。一途ですね。ぼっさんでも奏でもなくミケを選ぶハナ。
あとがきで、この作品を描き始めた理由が語られています。二ノ宮先生の夫POM氏の昔のバンド仲間が語るオーバークロックの訳の分からない説明から、変な奴がたくさんいそうで面白そうだから始めることにしたとのこと。
最後は恋愛ものっぽく落ち着いたのが意外でしたが、ダラダラ続くことなくスパッと描きたいものを描き切って終わったという感じですね。
- 作者: 二ノ宮知子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/03/18
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (6件) を見る
87CLOCKERS 8 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 二ノ宮知子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/04/19
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
関連エントリ
広告
10月27日発売の注目マンガ
バーナード嬢曰く。 3 (IDコミックス REXコミックス)
- 作者: 施川ユウキ
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2016/10/27
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (12件) を見る