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ブラックジャックよりも現代にふさわしい名医キリコが主人公のスピンオフ「Dr.キリコ~白い死神~」

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Dr.キリコ?白い死神? 2 (ヤングチャンピオン・コミックス)

Dr.キリコといえば、あのブラックジャックに出てくる超重要キャラクターの一人。あらゆる患者をその卓越した医療技術で助けるブラックジャックと違い、キリコは助かる見込みのない患者や、死を望む患者を安らかに絶対に自然死としか思われない方法で死なせることを仕事としていました。

何度もその思想信条から対立を見せたブラックジャックとDr.キリコでしたが、少子高齢化の進んだ現代では、Dr.キリコの「死神」と呼ばれる生き方が刺さります。

軍医として洗浄で手足を潰されても死ねない多くの患者を見たキリコ。毒を注射した患者が、心から感謝して死んでいった、という経験が医師としてのキリコの思想を作り上げています。

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出て来る患者の設定はなかなかなるほどと思わせるものばかり。

  • 昏睡状態の義母の延命治療にこれ以上の医療費をかけられないシングルマザー家庭

  • 働き詰めで、気づいたときには思い糖尿病性腎炎にかかり、長期に渡って入院治療に金のかかる体にかかってしまった父親

  • 死ぬことよりも、死を恐れて狼狽することを見せてしまうことを憂うマフィアのボス

2巻の中盤で出てきたロボットの話は、手塚治虫というかアトムが下敷きになっているであろう設定でとても良く来ていました。 自分の主人が安楽死を望んでおり、その意思を伝えられたのはお手伝いロボットだけ。ロボットはキリコに主人を安楽死させることを依頼します。反対する子どもたち。

キリコは、人工呼吸器を止めれば安らかに死を迎えられるとロボットに言い放ちますが、ロボットは三原則に従い、人間を死に至らしめる直接的な行為ができません。だったら、キリコに依頼することはどうなんだと思わなくもありません。

これは、おそらく死の最後の決定権がキリコにある状態にしただけだ、ということで原則を回避しているのでしょう。キリコは、ロボットに先がどこにつながっているのかわからない紐を差し出し、これを引けばいいと言います。

ロボットは、紐を引くことで主人が死ぬと予測できれば引くことはできません。あるのは、キリコが紐をロボットに渡し、その紐を引けば望んだ状態になるというキリコの言葉だけ。紐を引いて処分されるロボット。

本編ブラックジャックでは、冷徹で嫌味なキャラに見えましたが、このスピンオフでは高い仕事意識を持ち、助けられる患者は助けようとする医師としての熱い一面も見えます。ブラックジャックという名作のスピンオフとしてでなくとも、かなりクオリティの高い漫画でオススメです。

Dr.キリコ?白い死神? 1 (ヤングチャンピオン・コミックス)

Dr.キリコ?白い死神? 1 (ヤングチャンピオン・コミックス)

Dr.キリコ~白い死神~ 1 (ヤングチャンピオンコミックス)

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Dr.キリコ~白い死神~ 2 (ヤングチャンピオンコミックス)

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