ヤングジャンプで連載しているボクシング漫画のリクドウが面白い。ただ面白いだけじゃなく、今もっとも有名なボクシング漫画であるはじめの一歩を読んだうえで、主要キャラクターと成長物語を対比させて読み込むと面白さが倍増します。
母子家庭でいじめられっ子だった幕之内一歩が、鷹村守と出会い、鴨川ボクシングジムに入門。プロボクサーとして「強さとは何か?」を追い求めながら成長していくのがはじめの一歩。リクドウの主人公である芥生リクもまた、父親をなくし、母子家庭となって元OPBFチャンピオンの所沢京介と出会い、馬場拳闘ジムに入門。プロボクサーとして成長していきます。
- 作者: 松原利光
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/01/19
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父親
2人の主人公に大きな影響を与えているのが父親。幕之内一歩の父、幕之内一男は漁師で家族との時間を増やそうと漁師を廃業して釣り船屋を開業しようとした矢先に、漁で遭難し、帰らぬ人となります。誰よりも家族と仲間を大切にする人物で、遭難した時も自分の命よりも仲間を救うことを優先する厚い人物でした。
芥生リクの父親は名前は出て来ませんが、清々しいくらいクズな人物であったことは間違いありません。リクの母親が出ていった後は、リクに暴力を振るって虐待し続け、借金を抱えた生活を送り、第1話で借金を苦にして首つり自殺します。リクの初登場シーンは、首つり自殺した父親の死体をうっぷんばらしにサンドバッグにして殴っているところ。
母親
幕之内一歩の母、幕之内寛子は夫と死別してから、1人で釣り船屋を切り盛りしながら一歩を育てた肝っ玉母さん。作中では、ヴォルグや島袋、梅沢、板垣など多数の人物に慕われていて、人格者であることを感じさせます。強そうに見えますが、試合のたびに傷だらけになる息子をずっと心配しているという繊細な一面も持ち合わせています。
芥生リクの母親である春子は、父親が死んだ後にリクを引き取りますが、ヤクザの愛人で薬物中毒者。リクを引き取って家に連れてくるなり、クスリほしさにヤクザのものを咥えているところを幼い息子に見せつけます。そのヤクザをリクが殴り殺してからは、錯乱状態となってリクと意思疎通ができなくなってしまいます。
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先輩
2人の主人公をボクシングに導くのが、偉大な先輩である鷹村守と所沢京介。鷹村守は、WBC世界ジュニアミドル級チャンピオンとなった後、前人未到の6階級制覇を目指す天才。面倒見がよく、一歩だけでなく鴨川ジムの全員から慕われ、一歩が思う強さを体現する人物。
一方、所沢京介は元OPBFチャンピオンですが、登場した時点でリクの父親の借金取り立てに現れるヤクザでした。リクのことを気にかけつつも表立って応援することはなく、リクが京介のチャンピオン時代の試合の動画を繰り返し視聴するシーンが出てきます。
ライバル
戦いを盛り上げるのはやはりライバルの存在。一歩にとっての宮田一郎がそうであるように、リクにも兵動楓というライバルが登場します。宮田一郎も兵動楓も父親が指導者で父子家庭という点で共通しています。しかし、ボクシングのスタイルはまったくちがいます。アウトボクサーでカウンターを武器にする宮田に対して、兵動楓はパンチを受けることに楽しみを見出すドM。顔面をノーガードにしながらリズムを取り、スウェー・ダッキング姿勢からパンチを繰り出す、はじめの一歩であえて言うならブライアン・ホークと同じ異端児の戦い方。
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しかも、兵動楓の過去もなかなかで、実父の秋人(WBCライト級王者)から度重なる虐待を受けて殴られまくっているうちに、パンチに対する恐怖心が麻痺するという壮絶な体験をしています。
父親・母親・先輩・ライバルと似ているように見えて全く似ていない2つのボクシングマンガ。彼女ポジションの一歩で言うところの間柴久美に当たるのが、同じ施設で育った苗代ユキ。高校を卒業して看護師になった久美と同様に、ユキは介護士を目指して高校生の間から勉強中です。はじめの一歩では、一歩がいじめられっ子だったってのは有名なんですが、学校でいじめられているのはリクではなくナオ。理由は、人殺しのリクと一緒にいるから。リクはいじめられるのを完全に通り越して、人殺しという事で触っちゃいけない人物扱いになってしまっています。
一歩がゼロから強くなっていくストーリーなら、リクドウは突き抜けたマイナスをひっくり返すストーリーってところでしょうか。主人公側に焦点をあてましたが、リクドウは対戦相手も頭のネジが外れていて、いい味を出しています。はじめの一歩を読んだ上で、ぜひみんなに見て欲しい。
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