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専業主婦は2億円損をする / 橘玲、書いてあるのは当たり前のことばかりで、炎上するのは今だけ?

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専業主婦は2億円損をする

Kindleで無料だったので一応読めるようにしておいて、今更ですが感想を残すことにしました。予想取り、書かれている内容は、タイトルに集約されていて、2億円という謎の数字はともかく、「専業主婦は非合理的だ」という内容でした。これは、作者自身も語っているように、(あえて呼び捨てで)橘玲という人物に、専業主婦は損だという事実を書かせた時点で勝ちなんでしょう。

炎上させて、Kindleで無料にしても作者からすれば名前が売れればオッケー、専業主婦批判はタブーという状況に一石を投じられれば出版社の某女史も自分の意思を通せて御の字という作品です。未婚の女子はもちろん、結婚して専業主婦を養う可能性のある男子にも刺さる内容になっています。タイトルを言い換えるなら「専業主婦を持つ夫は2億円損をする」。以下は内容に触れますが、私は途中で読むのをやめてしまったことは告白しておきます。私が共働きパワーカップルの夫、という属性だったからでしょうか。

内容

「1+1=2のような話」と予防線を張るくらい当たり前のことしか書かれていません。日本社会が女性に厳しいという現実を見た上で、それでも幸福になりたいなら専業主婦という選択肢はおかしいという提言です。子育てはアウトソーシングできますし、フリーランスなら会社という残業による忠誠心が求められる団体にコミットしなくて良いとアドバイスされます。著者には申し訳ありませんが(何度も橘玲氏自身が断っているので、自覚はあるのでしょうけど)、読まなくてもわかっていることばかりです。

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炎上する理由

内容はともかく、炎上する理由に目を向けると、いろいろ嫌なことを考えざるを得ません。タイトルと内容に対して、まず真っ先に反発するのが専業主婦。次に、専業主婦を妻に持つ夫。

専業主婦は2億円損をする、だったら働けばいい、と単純にはいかないのが日本社会。一度でもキャリアのレールをはずれると、2億円稼ぐレールには2度と戻れないよう社会の仕組みができています。専業主婦を選択してしまった人にとってはどうしようもないんですね。それこそ「30歳までに結婚しないと、ろくな男と結婚できない」とか、「40歳までに子どもを産まないと、それ以降は妊娠すら難しい」みたいな、セクハラとしか思えないようなセリフを投げかけられたかのような反応をみんな示しています。

当たり前すぎる正論ほど、反論が難しいもの。そもそも専業主婦の立場を「勝ち取った」と思っている人は本書を手に取らず、どこか後ろめたい人しかわざわざ反論しないという構造なので、語るに落ちる反論ばかりで炎上するようですね。

勝手な予想ですけど、この本が刺さるのって今だけではないでしょうか。10年後は、今の結婚の形が継続しているかどうかすら怪しいと私は思っています。専業主婦になる人・なれる人が減り続けることはほぼ確実に予測できます。それでいて、親世代に専業主婦が多かったがために「専業主婦になりたい」と希望する女性がやや多い、そんな今だけ燃える本です。

専業主婦は2億円損をする

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