ミステリーボニータに連載している「きみを死なせないための物語(ストーリア)」。宇宙考証協力として首都大学東京の佐原宏典教授がクレジットされています。
1巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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宇宙時代に適応して生まれた「進化した人類」のアラタ、シーザー、ターラ、ルイの4人。彼らはネオテニィ(幼形成熟)と呼ばれ、人間よりも遥かに長い寿命を持っていました。人類の住む宇宙居住施設はすべてコクーンと呼ばれ、それぞれの国ごとに1つのコクーンがあり、かつての中心都市の名前で呼ばれていました。アラタは東京コクーン、シーザーはNYコクーン、ターラはデリーコクーン出身。
恋愛は不道徳なものとされ、信頼できる社会的評価の高い人同士がパートナー契約を結ぶのが当たり前とされた社会。コクーンは大きくなく、狭い空間にひしめきあうようにクラスために、監視カメラのもとで厳しく社会道徳的な人間関係が求められていました。幼いころにキッズパートナー、性成熟すればキッシングパートナー。契約のない相手に直に接触することは厳禁。そんな中、ネオテニィ4人目のルイだけは、不自由を嫌う不道徳者でした。
ルイはハッキングで偽造IDを造って、3人を監視カメラのない京都コクーンの歓楽街へと誘います。ターラは行かず、アラタ・シーザー・ルイの3人で京都コクーンに入り、そこで祇園という少女と出逢います。
4人で祇園と遊ぶようになりますが、ターラは祇園の正体に気づきます。祇園は緑人(ダフネー)症の患者。全身の細胞が光合成するように変化する1万人に一人の奇病に罹っていました。成人まで生きた例はなく、祇園の祖父は彼女が病院に閉じ込められるのを防ぐために密航したシャトルで市民IDなしにして暮らしていました。
祇園との結婚を誓うルイ。結婚式の日、地球を見るという願いを叶えた祇園は自殺します。
祇園の死から16年後、ダフネー症の被験体の研究をするアラタの姿がありました。
1巻はまだまだ伏線を広げる段階ですが、16年間でアラタ・シーザー・ターラ・ルイの関係がどういう風に変化したのかがこれから明かされていくようです。数百年の寿命を持つネオテニィたちの物語。美しい絵に圧倒されます。
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